第12話 センスがなくても

文字数 2,160文字

うむ、また著者が潰れておったようだ。軟弱なり……。
著者さん、またなの?もー。
電子書籍の印税がまた少なかったこと気に病んでましたね。
ここでの順位もズルズル下がってるし。ヒドイっ。
前回都庁ペーパークラフト作成という大ネタを出してこれだから、全く救いようがないのだ。
私たちの存続も心配ですよ。
なあに毎回毎回何かあれば廃校騒ぎになる某戦車道の学校に比べれば全く大したことではないのであるな。
でもほんと、20年間やってきてなんにもならないうちの著者さんが潰れるのも無理からぬことのように存じますわ。
センスがないなどと言っておったようだがセンスがない程度で辞めることなどできぬであろう。ゆえ、観念して「木鶏のように」鍛錬あるのみなのだ。
そういやそうだけど……首は確実に絞まってきてますよね。
そもそもこういうものはやめたくなくてもやめざるを得なくなる時が来るのだ。それを先取りする必要は少しもないぞよ。
そうですわねえ……。
ところでその細い収入の足しにする動画について現在準備中であるのだ。
えー、どんな動画ー?
かなり凝ったものになるぞよ。
え、これがその動画の台本? って、初めて動画の台本書いたんじゃない?
力入ってますよね。
そこでいくつか動画用の素材を作る必要に迫られて、このようなものを作った。
これは、まさか……プラットホーム?
さふである。「あまつかせ」の発着シーンがあるので模型撮影用のセットを作ったのだな。
乗降口に赤絨毯をしくのは他社周遊列車にもありますわね。
絨毯の赤が金のドアに反射してかっこいいですね!
人がいると活気が出るねー。
この列柱が上野駅13番線みたいですね。もしくは地下駅を連想させますね。
あれっ、これは?
さっきまでの床パターンがコピー用紙に印刷しただけでやたら白いのだ。そこでマゼンダとイエローの色をプリンタで印刷して少し落ち着かせたのだ。
確かにかなり違いますわねえ。
写真で見ると気付いたり気づかなかったりですね。
列柱に空調吹き出し口とポスターなどのディテールを追加したぞよ。
ずらりと並ぶと迫力ありますね。
でも人工物はより水平垂直が厳しく見られますね!
ストラクチャー、人工物はそこが難しいのう。
ホームの雰囲気出てきてる。ヒドイっ。
ひどくないよー。
先ほどの乗降口の風景も一気に雰囲気出てますわ。
柱があってホームがあって車止めがあって。それだけのことなのにこんなにシアワセなのである。終端駅モジュールは楽しいぞよ。
自動運転でないと気を抜いたら車止めに突っ込んでしまいますけど、こういう割り切りで作れば楽しいですね。
そしてこれだー!
『アペリティフあまつかぜ』?
あまつかぜの乗客さん専用の待合ラウンジであるのだ。
「ななつ星in九州」や「トランスイート四季島」にあるような部屋ですね。ヒドイっ。
モダンスタイルなのですわね。これはこれで高級感がありますわ。
上野駅13番線のトランスイート四季島のロビー「プロローグ 四季島」は前はトイレだったところを潰して作ったんだよねー。上野駅にブルートレイン撮りに行ってたから知ってるんだー。
それはそっとしておきたい話題だよ……。
でも使用してなかった荷物ホームを13.5番線にするとか、JRの工夫の見どころでもありますわ。
さふなり。
でもこれ、小田急さんの新宿駅のロマンスカーカフェの色彩を連想しますね。
深くワタクシは小田急を愛しておるのだ。小田急原理主義穏健派なのであるのだ。
……イミわかんない。
ともあれこの入り口、こんな蓋したままなのは残念ですよね。
そうであるのう。
そしてこうしたのだ。穴を開けてパーテションで隠して隠して、ということにしたのだ。
この画角だとこれから作る動画の素材にバッチリなのだ。
雰囲気出てるー!
アツい愛を感じます!
某メーカーの展示していた新宿駅がひどかったからのう。既製品無改造で数並べてそれで新宿駅ということにしていた。夢もへったくれもないのだ。
鉄道模型って夢を売って夢を作って夢を走らせて楽しいもののはずなのに。
さふであるのだ。なにがあったのか思わず心配になったぞよ。
この頭端式ホーム駅モジュール、いささか気軽に、軽率に作り始めたのだが、思いのほか楽しめるぞよ。読者諸賢にも是非オススメであるのだ。
本当に予想外でヒドイっ!
そうさのう……。
総裁もこんなこと納得しないでください!
頭端駅をレイアウトに作るとぐるぐる走らせっぱなしができず運転がめんどいのだが、作ると絵になりやすいので遊べるぞ。
上野駅13番線とか作れば寝台列車の推進回送の再現で遊べますね。
でも撮影するという動画ってどんなものでしょうか。
いきなりこれだぞ。現在公開している予告編なのである!
なんですかこの煽り方!
問題作って……。
総裁幾ら何でもかましすぎですよ!
往年の映画予告編みたいですよ。
わたくし、何か嫌な予感がしていますわ。
かましすぎですよ、これー!
だ、大丈夫ですか!?
もー!
………!!
ものすごく煽っちゃったねー。これヤバくないー?
総裁、ここで照れてもダメです!
ああ、嫌な予感しかしないっ、ヒドイっ!
ともあれ動画は予定通り公開なのである!
さっそくここのYouTube連携機能を使ってるわけですね。
それで総裁、頑張っちゃったんだねー。
それどころじゃなーい!
「あまつかぜ」の新たな旅立ちなのだ!
つづきます!
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登場人物紹介

長原キラ ながはらキラ:エビコー鉄研の部長。みんなに『総裁』と呼ばれている。「さふである!」など口調がやたら特徴ある子。このエビコー鉄研を創部した張本人。『乙女のたしなみ・テツ道』を掲げて鉄道模型などテツ活動の充実に邁進中。


*総裁のびっくりヒミツ能力(順次公開)

・隠れオッドアイ。安いラノベのキャラだと思われたくないので視力は悪くないのにカラーコンタクトをはめて眼の色を合わせている。しかしこのオッドアイのその眼を見てしまうと自白させてしまう作用がある。あまりにも危険なのでそれを抑制するためにもカラーコンタクト。


 ほかにもまだまだあります。


葛城御波 かつらぎ みなみ:国語洞察力に優れたアイドル並み容姿の子。でも密かに変態。しかしイマジネーション能力は随一。


武者小路詩音 むしゃのこうじ しおん:鉄研内で、模型の腕は随一。高校入学が遅れたので、実は他のみんなより年上。鉄道・運輸工学教授の娘で、超癒し系の超お嬢様。模型テツとしての腕前も一級。

芦塚ツバメ あしづかツバメ:イラストと模型作りに優れた子。イラストの腕前は超高校級。「ヒドイっ」が口癖。

中川華子 なかがわ はなこ:鉄道趣味向けに特化した食堂『サハシ』の娘。写真撮影と料理が得意。バカにされるとすぐ反応してしまう。

鹿川カオル かぬか カオル:ダイヤ鉄。超頭脳明晰で、鉄道会社のダイヤをアルバイトで組んでしまうほどの『ダイヤ鉄』。プロ将棋棋士を目指し奨励会所属。王子と呼ばれるほどハンサムな女の子。電子回路やプログラミングが得意。


田島ミエ たじまみえ:総裁の古くからの友人。凄腕の模型テツ。鉄研のみんなと一緒に大洗などを旅行したものの、関西在住で滅多に会えない。なおかつその実像は不明。

小谷奈々 おたりなな


総裁の友人。凄腕のBトレ自動運転の模型鉄。地下アイドルをしているらしい。ウサミン星がどうとか言っていたが詳細不明。

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