第32話 リハーサル・リデュース
文字数 3,190文字
いろいろあったがtomyさんなどをお迎えしてのJAM出展リハーサルである！
展示プランどおりに借りた場所にレールを敷いて見えかたやオペレーションを確認し、本番で問題なきよう改善点を洗い出すのだ。
展示プランは前から決めてありましたね。あれのままですか？
当初は新宿踏切モジュールがなかったので一部修正したのだ。そして修正プランに基づき、レール数を確認する。300本近いレールが必要なので、足りなくなることはあり得るのだ。
でもよくこんなにレール持ってますね。ヒドイッ。
もともと著者がお世話になった鉄道模型シェアハウス「ナインステージ」さんで使っていたレールを譲り受けてここまでの数になったのである。
鉄道模型シェアハウス！ とても楽しそうですわ！
事実楽しかったらしいぞよ。夜中にコワーキングスペースのレイアウトの上のガラステーブルでお酒飲みながらPCで作業するとか。
すばらしい！ でもそんなステキなシェアハウスをなぜやめてしまったのでしょうか。
それはわからぬ。鉄道趣味者からしたらコレクションを持てないシェアハウスは無理であるし、手狭で共有工作室もなかったのでイマイチ趣味者に響かなかったのかもしれぬ。とてもステキで良いところであったのだが。
残念だなあ。私もそこで原稿書いたりしたかったなあ。
さふであるのう。
ともあれ、レール数確認である。図面にレール番号を書き、それに基づいてレールを数える。excelのcount if関数を使うと数え間違いが防げるぞ。
初歩のexcel関数ですけど使えると使えないでは全然違いますね。
コンピューターを使うのだからこういう活用はどんどんやるべきであるのだ。文明の利器であるからの。
これがその表計算の表ですね。緑が余裕あり、赤が不足を表示するように条件付書式を使っているのですね。
さふなり。しかし直前までこれの赤表示を見落としておった！
せっかく表示してたのに見落とすなんてポンコツ過ぎてひどいっ！
慌てて不足分を発注したのである。それがこのガーダー鉄橋なり。
早速ウェザリングしているんですね。
ツルシのままでは恥ずかしいからのう。スミ入れブラックで雨だれを描き、適宜拭き取って表現とするのだ。
重々しい鉄橋になった―！
鉄橋は細く華奢でありながら重厚感があるところが萌えポインツであるからの。その表現をするのがキモであるのだ。
華奢であればあるほど鉄橋ってかっこいいですもんね。
次にモジュールを作るとしたらやはり鉄橋であろうの。アオリ構図で見て良し、俯瞰で見て良し。小田急の鉄橋といえば相模川、酒匂川、四十八瀬川、多摩川が特に有名であり、そのそれぞれが実にエモいぞ。
はやくも次回作の構想が固まりつつありますのね。すてきですわ。
というわけでレール本数が足りることとなった。しかし会場のアミュ厚木に搬入する方法がいまいちわからぬ。ゆえ何度も問い合わせて確認したのである。
でもアミュ厚木は本厚木駅から近くてすごく便利でいいよね―。
いつもの公民館と違い有料であるのだが、十分受忍範囲内の料金なり。駐車料金を除いては。
あっ、駐車場が青天井料金で割引全然ない！ ひどいっ！
しかたないよー。駅前一等地なんだからー。
そこで搬入車両の運用を工夫するしかないのだ。
足りぬ足りぬは工夫が足りぬ、ですね。
さふであるのだ。その車両の搭載力の都合上、全部の展示物の搬入は諦めるしかなかった。必要最小限の搬入で済ますしかない。
全規模展示は本番ぶっつけ勝負になっちゃうんですね。心配だなあ。
しかも展示物のJITBOX積載のシミュレーションに使うShadeという3Dソフトの契約更新がかかったのだが、お金がないのでその更新は見送るしかなかった！
3Dモデリングはこれからはできなくなるのですか？ あれで3Dプリント信号機やキュービクル、継電箱とかモデリングしてDMMで販売していますのに。
フリーで使えるBlenderに機種転換するしかないのだ。翼をもがれるような苦しみであるが、背に腹はかえられぬ。
軍資金作戦がうまくいくのを期待するしかないですね。
うむ。そしてリハーサルの朝を迎えた。朝６時から車両への積み込み準備である。
上陸作戦みたいですね本当に。
JAMはそういうものであるからの。上陸作戦を実施し、その後は３日間の耐久レースであるのだ。
アツいなあ。
そして搬入開始である。アミュ厚木和室１が会場なり。
入った瞬間、しまった！と思うた。部屋がどうにも狭いのだ！
広さ確認してなかったんですか！ ひどいっ！
あわてて襖を外して広さを確保した。しかし少しカツカツであるのだ。
また間抜けしちゃったんですね……。
間抜けは仕方ないが堕落はいかんのだ。
もー。「究極超人あ～る」ネタなんて古すぎますよ。
あれは名作であるぞ。
そういう問題じゃないですよ。ひどいっ。
まあ、ともかくせまいけれどもレールを敷き始めたのだ。
すこし辻褄あってないですね。ユニトラックってそういうところがあるので馴染ませ繋ぎをせまられますね。
その確認もこのリハーサルの目的である。そしてtomyさん到着。二人でレールを敷いていくのだ。tomyさんはユニトラックをあまり使ったことがないのだが、すぐに要領を飲み込んでサクサクやってくれたぞ。
tomyさんさすがの適応力ですね。
しかも掃除や清掃の悪さ、整理の悪さにも気づいてくれて、いろいろ対策してくれたのだ。
総裁そういうの苦手だもんなあ。そういうところサポートしてくれるtomyさんは実に頼もしいなあ。
下のフロアの百均でそういった清掃用具、整理用具も入手したのである！ ＡＢ型のtomyさんのA型の能力が発揮されたのだ！
総裁もろB型だもんね。
ＡＢＯ血液型による性格診断って迷信なんですけど、なんとなくこの場合はたしかにそうだなと思わされてしまいますね。
そしてＪＡＭ出展レイアウトプランの全容が見えてきたのだ。
なかなか壮大でひどいっ。
でもこんなロングランだと、線路の遠いところまで電気が届かなくて電圧降下しちゃいますね。補助フィーダーを付ける必要が出ますね。
その検討もまたリハーサルの大事な趣旨なり。補助フィーダーコードの準備もせねばならぬことが判明、さっそく部材を発注したのである。
ほかにも信号機駆動用のケーブルも長さがたりませんね。それもメモにとって消込項目にするんですよね。
いかにもであるのだ。tomyさんがそれを率先してやってくれた。すばらしい活躍なり。
で、このリハーサルって公開でしたよね。お客さんはきたんですか？
いつもの関中鉄道くんにフォロワーの舞魂ヤマトくん、そして全く知らなかったギャラリーの方２名が参加してくれたのだ。
でもあんまり広く告知してなかったですよね。
集まりすぎることを危惧していたのだが、この部屋の狭さではこれが限界であったのだ。
ほんと、幸運でしたね。
そして各人の作品を愛でるのだ。見よこの上信電鉄の車両の素晴らしさ！ 特殊塗装をマスキングで再現しておる！
すばらしいですわ！ なんて繊細な。
こういう事があるから公開イベントはやめられぬのだ。
でもこれだけじゃなかったんですよね。
さふである。重大なミスが発覚したのだ。なんと新宿踏切で一番見てほしい画角が高架橋が邪魔で見えないのだ！
それじゃ作った意味がないじゃないですか。ひどいっ！
プランを再修正せねばならぬのだ。またtomyさんの好意を一部無にしてしまったのも反省点である。小さなことではあるのだがすまない限り！
また総裁へましちゃったんですね。もう。
申し訳ないのだ。というわけで反省点と改善点をお土産にリハーサル運転会は閉幕、帰宅することとなった。著者の体もヘトヘトである。
JAM本番前にへとへとになってどうするんですかー。
しかもこのとき、もっと深刻な事態が発生していたのだ！
ええっ、なんですか？！
それは後ほど！ なのである！
つづきます！
