第30話 七夕ミーティング

文字数 3,054文字

ミエくんはこの七夕ミーティングにこのフルカスタムの小田急ロマンスカーSSE車を持ち込んだのだ。
ずっとSNS投稿で見てた新宿2号踏切モジュールで走らせるのに期待してきたんです。待ち望んでました!
でもその前に、当選した高速バス大手・ウィラーエクスプレスの車庫公開イベントに行きました!
ふたりとも抽選イベントに当たるなんて。ツイててひどいっ。
ひどくないよー。よかったねだよー。
大きな基地だったんですね。すごいなあ。
模型を盛ってきて並べるのもいかにもミエさんらしいですわ。
整備士さんが高速バスのエンジン整備について説明してくれました。安心して乗ってください!って言葉にいいなあ、と思いました。
そういう職場は素敵であるのう……。
高速バスも輸送機関、輸送の第一は安全ですわねえ。
高速バスのメーカー標準の脱出はしごです。
ええっ、これはしごって感じじゃないですよ。心もとないなあ。
そこでウィラーさんではこういう脱出用の脚立を用意しているんだそうです。
いざというときは役に立ちますわね。これ。こういう措置は正しいですわねえ。
そして脱出訓練もやりました。実際にこの状態でバスから脱出するんですよ。
発煙筒炊いて脱出訓練なんて! ガチすぎてひどいっ!
ひどくないよー。こういう本気の訓練は大事だよ―。
そしてウィラーの社員食堂でお昼ごはんでした。
すごくきれいな食堂だな―。
高速バスの隆盛の時代だと思わされますね。しっかりこういうとこもできてるなんて。
このあと総裁たちと合流しました。
ミエくんの車両を入線させたのだが、そこでいろいろトラブルが見つかった。敷いたバラストのあまりが車輪にあたってジャリジャリ言ったりしたのだ、そのためそれを除去したのである。
JAM本番前に除去できるトラブルは除去しよう、と思いました。
それも直前ミーティングの意義ですわねえ。
そして総裁のもってた253系、初代成田エクスプレスのウェザリングのやり直しをしようということになりました。習ったばかりのエアブラシウェザリングの応用です。
ワタクシのずっと前にやっていたウェザリングを落とし、ミエくんのウェザリングで編成を整えるのだ。
もともとはこうであったのだ。
艶が出ちゃってるのがすごく残念なウェザリングですね。ひどいっ。
ない塗料を塗りたくってのものであるからのう。
でも内装も塗ってあるんですね。情熱を感じます!
この頃どうかしておったのだ。
このころ?
うっ、それは今もかもしれぬ……。
もとのウェザリングを拭き取り、墨入れし、そして薄め液でシャバシャバに薄めた塗料をエアブラシで吹いて重ねていきます。
すごい細密感が出てますわ。さすがエアブラシですわねえ。
ダストの発生源から吹かれてダストが付着していくイメージを描くんです。
これがウェザリングの仕上がりであるのだ。
いい感じに枯れた感じになりましたね。つや消しがバッチリ決まってますね。
屋根の上もやりたいところですが、今回は時間の都合で諦めました。
そしてSSE車を入線させての試運転の様子です。
ぐっとくるねー。いかにも本物っぽい―。
HiGSE車も入線させました。でもHiGSE車、動力にすこしトラブルが出がちでした。
これもJAM本番前に解決せねばならぬ宿題となったのだ。
ノーマルの原型SE車とミエくんのカスタムSSE車の比較である。実感がSSE車にでているのがよく分かるであろう。
ピラーの太さとかが改良されてますね。屋根上もシャープに仕上がってます。ひどいっ。
そしてミエくんの苦心の作、アニメ「ケムリクサ」に出てくる路面電車「ミドリちゃん」などを愛でて、そののちYouTubeLiveの特別放送を実施したのである。
はじめてのゲストでキンチョーしたなあ。
奇車さんの声が小さくなってしまったのは反省点なり。
そしてガルパン最終章の観覧である。しかしここまでワタクシは2回も予約を間違えてしもうたのだ。映画の予約は払い戻しができない……。おもわぬ「3倍応援観覧」になってしもうたのだ。
ひいい、何ポンコツしてるんですか。ひどいっ。
しかも映画はとても良かったのだ。知波単学園の大活躍には感涙せざるを得なかった。
まさにスポーツアニメの醍醐味でしたね。
そして終わったあとは感想を交わしつつのお寿司なのである!
映画が良すぎてため息ばっかりでしたね。
さふであるのだ。そしてため息のあまり、時間を本当に忘れていた。


気がつけばミエくんの高速バス発車まであと15分になっておった!

めちゃめちゃポンコツじゃないですか!!
しかもうちの著者が駐車場の駐車券を紛失しておった!
ひいい、どポンコツじゃないですか! ヒドスギル!!!
しかも駐車券紛失のペナルティー料金を払う時、領収書ももらい忘れた! もらっていれば生産してお金が一部戻ってくることもあるのに!
最悪にポンコツじゃないですか!!
それで発車5分前のバスに駆け込みました……。
ぎりぎりで間に合ったんですね。ひどいっ。
これはひどかったのう。
総裁が言わないでください!
しかしこの直前ミーティングをこのような動画にまとめた。
駅からの発車の様子を特撮の発進シーケンスみたいな動画にしてみたんです。
撮影・演出・監督・ミエくんであるのだ。なおこの動画はセーフVersionとなっておるのだが、じつはシンカリオンの「発車」という劇伴に合わせたもっとアツいバージョンもあるのだ。
そんなのやったらHiGSEが超進化速度に到達しちゃいますよ。
それもまたヨイかも知れぬ。
もー。めちゃくちゃだなあ。
でも、めちゃめちゃアツい週末だったのですわねえ。
ちなみにOくんとミエくんにはこれをプレゼントしたのだ。我が鉄研でいずのコミックのコピー本である。
中はこうなっておる。最終話は間に合わずラフ段階のままであったのだが。
それも同人誌らしい味わいかも知れませんわ。
私は嬉しかったですよ。
喜んでもらえて何よりであるのだ。
ミエくんのほうも着々と準備が進んでおるのだ。良き哉。
でもなんですかこの動画は! ビルの突端に総裁立ったりして!
ビルを見ているうちに、思わず攻殻機動隊みたいなSFアクションの動画が撮りたくなってのう。
しかもバックに家の中が写り込んでしまっておりますわ……クールなSFアクションには程遠いですわ。
それは如何ともし難いのう。
もー。総裁こういうところも厨二病なんだから。
ワタクシの厨二病キャラはもとよりであるのだ。今更どうにもなりはせぬぞ。
総裁ってそうだよね。いまさらどうにもならないよね。
でも苦情来てたよー。総裁には絡みづらいって。
うむ、ならば絡まなくてよいのだ。無理したところで無理なものは無理であるからの。
そういえばそうですけど……。
またこのころ、JAMの出展者IDカードなどが届いたのである。またJAMでのベースキャンプの宿泊の詳細も見えてきた。

ミエくんはJAMのベースキャンプを1日抜けることもわかった。

えー、なんでー?
べつの集まりの仲間と会う約束しちゃって。
え、なんでJAMにせっかく来てるのに別の集まりとの約束しちゃうんですか。よくわからないなあ。
ワタクシも実はよくわからぬと思うたのだが、それはミエくんの判断であるのだ。

ミエくんが随分もったいないことをするなと思うておったが、黙っておった。

何でしょうね……。
ミエくんにはもう一つ、大事な仲間が居るのをワタクシは知っておる。
でもどっちも大事な仲間じゃないのかなあ。
うむ。と思いつつも、それはそれとして把握し、ワタクシはJAM出展に向けて進んでいくのである。
つづきます。
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登場人物紹介

長原キラ ながはらキラ:エビコー鉄研の部長。みんなに『総裁』と呼ばれている。「さふである!」など口調がやたら特徴ある子。このエビコー鉄研を創部した張本人。『乙女のたしなみ・テツ道』を掲げて鉄道模型などテツ活動の充実に邁進中。


*総裁のびっくりヒミツ能力(順次公開)

・隠れオッドアイ。安いラノベのキャラだと思われたくないので視力は悪くないのにカラーコンタクトをはめて眼の色を合わせている。しかしこのオッドアイのその眼を見てしまうと自白させてしまう作用がある。あまりにも危険なのでそれを抑制するためにもカラーコンタクト。


 ほかにもまだまだあります。


葛城御波 かつらぎ みなみ:国語洞察力に優れたアイドル並み容姿の子。でも密かに変態。しかしイマジネーション能力は随一。


武者小路詩音 むしゃのこうじ しおん:鉄研内で、模型の腕は随一。高校入学が遅れたので、実は他のみんなより年上。鉄道・運輸工学教授の娘で、超癒し系の超お嬢様。模型テツとしての腕前も一級。

芦塚ツバメ あしづかツバメ:イラストと模型作りに優れた子。イラストの腕前は超高校級。「ヒドイっ」が口癖。

中川華子 なかがわ はなこ:鉄道趣味向けに特化した食堂『サハシ』の娘。写真撮影と料理が得意。バカにされるとすぐ反応してしまう。

鹿川カオル かぬか カオル:ダイヤ鉄。超頭脳明晰で、鉄道会社のダイヤをアルバイトで組んでしまうほどの『ダイヤ鉄』。プロ将棋棋士を目指し奨励会所属。王子と呼ばれるほどハンサムな女の子。電子回路やプログラミングが得意。


田島ミエ たじまみえ:総裁の古くからの友人。凄腕の模型テツ。鉄研のみんなと一緒に大洗などを旅行したものの、関西在住で滅多に会えない。なおかつその実像は不明。

小谷奈々 おたりなな


総裁の友人。凄腕のBトレ自動運転の模型鉄。地下アイドルをしているらしい。ウサミン星がどうとか言っていたが詳細不明。

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