第41話 JAM展示1日目 総裁はたぶん魔法を使う

文字数 2,519文字

JAM国際鉄道模型コンベンション、ついに展示が始まったのである!
模型たちもここから3日間の耐久レースですね。
展示作戦としてはフラッグシップである周遊列車「あまつかぜ」と自由形ロマンスカー「HiGSE」を高架線複線で活躍させ、大カーブや新宿2号踏切のある大外地上内回り外回りをtomyさんなどの協力ゲスト線路、大内地上内回り外回りにはその他車両を走らせる作戦であった。

高架複線をふくむ3複線、同時6列車走行を展示するのだ。

大外地上線と高架線がもっとも目を引きますわね。
とくに「あまつかぜ」は直前にレインボー室内灯が到着した。これは虹色に色が変わる室内灯で、「あまつかぜ」のライブステージ車「秋葉原」に搭載した。なかなか目を引いてヨイぞ。
そういえば東京MXテレビのテレビクルーが撮影に来てましたね。
写真の通りの大盛況であったから、このときは特に応対できなかったのだ。

そして同時にtomyさんがこの展示を撮影してくれたのである。さすがのカメラワークであるとあとで撮影した動画を拝見して思うたのだ。

そのぶんさらにしっかり作り込まなくちゃいけないですね。ヒドイっ。
ひどくないよー。でもがんばらなきゃですね。きれいに撮ってもらえるぶん粗も見えちゃうわけで。
tomyさんカメラリハーサルも念入りにしておった。その動画への情熱と経験値、見習いたいものである!
私達の車両、すごくかっこよく撮ってくれてましたね。感謝しかないです。
ミエくんのケムリクサのパイク(小型レイアウト)も大活躍であった。ミエくんはこの自由環状線のミーハー部門担当であるからの。これが展示に話題性をぐっと引き込んでくれてヨイのだ。
前回は「けものフレンズ」が大当たりしましたけど、今年は「ケムリクサ」がすごく効いてくれましたね。
まさにNゲージ工作の楽しさを全方位にむけて発信できたとぞ思いけるのだ。
そうだねー。まさに「Nゲージの、おもちゃ箱やー」って感じだったー。
でもその分、設営撤収が複雑で煩瑣なのはなんとかしたいですわね。
ここはなにか工夫せねばならぬのう。
一般入場者さんもものすごく熱心に模型を撮影したり見つめてくれて、嬉しかったなあ。
その様子を撮影した写真を見ると、実に皆素敵な目の輝きで見てくれておるのだ。これは心からワタクシも嬉しくなったぞよ。やってよかったと思うのだ。
以前総裁はお話でしたわ。この現代が『役に立つものでなければ必要ない』という貧相な価値観に蝕まれていいると。

鉄道模型は博物館の模型とも違うのです。その意義は考えれば考えるほどただの楽しみのためでしかない。

しかしそれを欲して、こんなに多くの人がビッグサイトにまで足を運び、お金を払って見てくれる。

それがこの貧相な価値観の世の中に対して、あざやかに一矢報いたようでじつに愉快ですわ。


さふであるのだ。そして1年のさまざまな紆余曲折、逡巡のなかで尽力してきた模型の晴れ舞台であるのだ。まさに「花の仕事」なのである。それが斯様に成功している。こんな幸せは他にないのだ。
おもえば地下立体交差模型とか、結局ボツにしちゃったアイディアもありましたよね。

でもこうして成功すれば、良い判断だったのかもしれないです。ひどいっ。

ひどくないよー。
ともあれ大盛況である! 今思えば展示位置が隅っこになっていたのは正しい判断であったのだ。なにしろ人だかりが凄くて、また去年のようにベビーカーが人並みの中で行動不能になりかねないのだ。それが隅っこなので人の流れがよくなっておった!
運営事務局さんグッジョブでしたね!
そうかもしれんと思うた。ゆえ、この1日目ですでにJAM出展作戦は上首尾、成功だと思うのである。
成功宣言出ちゃいましたね。
でもそうだと思いますわ。朝の失敗の外はほぼ全力を出し切れたのですから。
そしてtomyさんの撮影に任せ、まず1日目で展示オペレーションの確認を行った。

毎回JAMは1日目の初期トラブル、3日目の展示疲れのトラブルがある。

つまりベストの展示は2日目なのだ。

まだ1日目、ここから更に上げていくのだ。

それといつものお客さんが来てくれたよねー。 
さふなり。しかし今年は報道されたイギリスでの悲しい出来事もあり、やや警戒しすぎたのと誤認があって失礼してしもうたのだ……まさにすまない限りである!
著者さん人の顔覚えるの苦手だもんね……。なにか次からは失礼のないようなんとかしたいですね。
さふであるのだ。しかし警戒し危惧したような事態は全く発生しなかった。ありがたいものである!
日本もまだまだ捨てたものじゃないのかもしれませんね。
さふであるのだ。来場するヤング鉄くんたちの成長もまた目覚ましかったのだ。世代を超えて伝えていくことの意義もまたよいものだなと感じたのである!
あと今年は線路配置、大半径カーブ「よねカーブ」の前後がストレートだったおかげで、カーブの見栄えがすごく良かったですね!
それもよかった点である。線路配置は今回、なかなかいい方向に機能したと思う。
ほかにもひっきりなしに挨拶にいらっしゃる模型界の方々も。まさにJAMは年に一度のお祭ですわね。
さよう。なかなかほかに代えがたいイベントである。オリンピックで1年お休みをいただくのだが、そのぶん期待度も高まることが予想されるのだ。
tomyさんの設営時のコードさばきの工夫もあって、今年の展示は美観にも優れてましたね。
次回tomyさんも追兎電鉄さんも別ブースを作っての出典を考えておるらしい。我々は彼らなしで頑張らねばならぬかもしれぬ。さらなる工夫が必要になるであろう。
でもあれだけブーブー言いながら作っていた東京都庁舎模型や東京タワーなんかも効いてましたね。

かなり今回のテーマ「東京」にあわせた展示ができたように思います。

うむ。なかなかその点も満足できたのだ。

というわけでバタバタと応対しているうちにあっというまに1日目の展示時間終了。

このあと新橋で1日目の慰労飲み会が開催された。

おつかれさまでしたー!
そしてようやくベースキャンプの民泊についたのである。
長い一日でしたね。
でも思えばあっという間であった……。
そうかもしれません。そして2日目ですね。
うむ。
続きます!
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登場人物紹介

長原キラ ながはらキラ:エビコー鉄研の部長。みんなに『総裁』と呼ばれている。「さふである!」など口調がやたら特徴ある子。このエビコー鉄研を創部した張本人。『乙女のたしなみ・テツ道』を掲げて鉄道模型などテツ活動の充実に邁進中。


*総裁のびっくりヒミツ能力(順次公開)

・隠れオッドアイ。安いラノベのキャラだと思われたくないので視力は悪くないのにカラーコンタクトをはめて眼の色を合わせている。しかしこのオッドアイのその眼を見てしまうと自白させてしまう作用がある。あまりにも危険なのでそれを抑制するためにもカラーコンタクト。


 ほかにもまだまだあります。


葛城御波 かつらぎ みなみ:国語洞察力に優れたアイドル並み容姿の子。でも密かに変態。しかしイマジネーション能力は随一。


武者小路詩音 むしゃのこうじ しおん:鉄研内で、模型の腕は随一。高校入学が遅れたので、実は他のみんなより年上。鉄道・運輸工学教授の娘で、超癒し系の超お嬢様。模型テツとしての腕前も一級。

芦塚ツバメ あしづかツバメ:イラストと模型作りに優れた子。イラストの腕前は超高校級。「ヒドイっ」が口癖。

中川華子 なかがわ はなこ:鉄道趣味向けに特化した食堂『サハシ』の娘。写真撮影と料理が得意。バカにされるとすぐ反応してしまう。

鹿川カオル かぬか カオル:ダイヤ鉄。超頭脳明晰で、鉄道会社のダイヤをアルバイトで組んでしまうほどの『ダイヤ鉄』。プロ将棋棋士を目指し奨励会所属。王子と呼ばれるほどハンサムな女の子。電子回路やプログラミングが得意。


田島ミエ たじまみえ:総裁の古くからの友人。凄腕の模型テツ。鉄研のみんなと一緒に大洗などを旅行したものの、関西在住で滅多に会えない。なおかつその実像は不明。

小谷奈々 おたりなな


総裁の友人。凄腕のBトレ自動運転の模型鉄。地下アイドルをしているらしい。ウサミン星がどうとか言っていたが詳細不明。

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