第29話 いけないフィーダーライン

文字数 3,116文字

そんななかではあったがリハーサルを始めることとしたが、その前にここまでの工作である。
いよいよサザンテラスの作り込みですね。テラスの支持脚はアクリルパイプなんですね、
手持ちの丁度いい材料はこれしかなかったのだ。
えっ、これは?
うっ、前後してしもうた。この事をすっかり忘れておった。

リハーサルより前に行っておったロマンスカーGSE1周年ツアーの写真である!

この足は?
ツアーに同行するヤング鉄のOくんである。我々鉄研の大ファンであるのだ。
ファンが本当に居るんですね! 私たちに!
さふであるのだ。
ぼくたち非実在女子高校生なのに。
それでもほんとうにうれしいですわねえ。
私たちもいつまでもスチャラカしてるわけにはいきませんね。ひどいっ。
ひどくないよー。
たしかに我々も身をもっと律せねばならぬのう。
これが集合してGSE1周年ツアーの起点となる小田急電鉄喜多見車両基地の入口であるのだ。
ここから中に入れるんですね。普段入れないところだから面白そうですね。
おおー。車両基地の中だ。車両もそうだけど基地の建物のディテールが興味深いですね。
参加してるのは親子が多いかな。著者さんもちゃんと結婚してたら、今頃Oくんみたいな子供がいてもおかしくないですよね。
我が著者にそんな事ができるわけがねいのだ……。
工場で働く人の息吹がわかって面白くてひどいっ。
ひどくないよー。
ツアーの行路表である。箱ダイヤで書かれておるのがシブくて良いぞ。
お土産ももらえて実にサービスたっぷりのイベントである。
でもヤング鉄のOくんって、前は正直こまったことがありませんでした?
うむ、Oくんは素晴らしい成長をしておったぞ。立派な好青年になりつつあった。子供にはそういう要素があるのだ。ゆえ、それに留意し早計に判断してはならぬ。
列車は基地内を入換し、車両洗浄を終えて車内での記念撮影の後、本線に入り新宿を目指すのだ。
ステキなOくんと著者さんと職員さんの記念写真でしたけど、これはプライバシーの関係でオミットですね。
さふであるのだ。
でも幸せそうな写真でしたね。
そう見えたか?
えっ、どういうことです?
うむ、そう見えていたらそれでいいのだ。
……なんだろう?
車内では交代制で前展望席の乗車体験をした。そして列車は新宿駅特急ホームに入線したのだ。
本物の特急ホームに結構長い時間止まりましたね。
レアな体験でひどいっ!
もー。ひどくないってば。
そして列車は折り返して唐木田へ向かうのだ。これは多摩川橋梁通過中の様子なり。
そして新百合ヶ丘で多摩線に入線する。
たしか展望ロマンスカーの多摩線入線は久しぶりですね。レアですね。
そして多摩線内を列車は進むのである。
展望席、満員で大人気ですわね。
そして終点の唐木田へ到着したのだ。
唐木田のホームで撮影大会したんだねー。方向幕もオリジナルなのがいいなあー。
運転士さんも運転席から身を乗り出しての大サービスであった!
ほんと、すごく嬉しいですね!
これでイベントは終わりですか?
といいたいところであるが、まだまだなのだ。
なんと唐木田の基地の中に迎え入れられたのだ。
すごーい、いつものフェンスの向こうじゃないですかー。レアだなー。
そして乗ってきた列車がわれわれを追い越して唐木田基地の奥に回送されるのだ。
そして基地の奥で再び撮影会である!
ものすごいサービスぶりですわ! 小田急さんがここまでなさるなんて。
しかもこの時、去就が注目の8000形も見られたのだが、この奥の4000形にも注目であったのだ。
えっ、なぜ?
なにしろこんな作業をしておったのだ。
なんだろう?
あ、これ、ホームドアの機械だ!
さふなり。ホームドア敷設のためにドアの機械を輸送する準備をしておったのだ。
これもレアなシーンですね!
大変レアなものをてんこ盛りに拝見できたのである! 実に有意義なり!
しかもこの車止めである。これは実に興味深いのだ。
模型のこれに似てますけど、すこしちがいますわね。
さふなり。車止めの標識灯が下の模型では柱を立ててそこに独立して立っておるのだが、ほんものはそれがないのだ。
ほんとうですわ。この柱のほうはよく模型だと引っ掛けておってしまいがちですが、本物のようにすれば柱は省略できますわね。
破損防止にもなって実に良い発見であった!
そして楽しいツアーは終わるのであった。
ヤング鉄のOくんとは新百合ヶ丘で解散である。JAMでの再会を約束して別れたのだ。

しかしまだこの日の行程は終わってはないのだ。

ミエくんとその依代・奇車製造さんとのJAM直前ミーティングがあるのだ。

なおその準備でこのようなものを事前に購入しておったのである。
ガルパングッズじゃないですかー。
ミエくんと奇車さんの好物であるからの。ミーティングのシメは目下上映中のガルパン最終章第2話の観覧、映像講話実習なのである。「乙女のたしなみ・戦車道」を学んでわが「乙女のたしなみ・テツ道」の理解を深めようということであった。
そしてこうして他校の先輩を迎え入れたのである!
たまたま売ってたからってこんなフィギュア買ってたら軍資金なくなりますよ! ひどいっ。
そして工作もどんどん進めておった。サザンテラスもなんとか形になってきたのである。
車両を新宿第2踏切に入れるとこんな感じである。
そしてこっちは本物を撮った動画の一コマである!
変な笑いが起きちゃうほどそっくりですね。
それが狙いであるのだ。
こんな工作もしてたんですね。ラインゴルドのドームカー。でも屋根に光が回って漏れてますね。
うむ。これはアーノルド製の古い模型でのう。室内灯装備を考えてないので、屋根とドームが一体成型の透明プラになっておるのだ。ゆえ、どうがんばっても光漏れしてしまうのだ。
でもわが北急の展望車連結のオリエントエクスプレス編成に入れるには好適である。JAMでは真っ暗な中での運転ではないのでさほど目立たぬであろう。
素人は騙せる、って、ひどいっ!
そしてこれはワタクシ、鉄研総裁の1/150のフィギュアである。アップにするとキツイのだが。
非常識に小さい工作ですよね。これ、素体からオリジナルですもんね。
これは奇車さんや壬生くれはさんといった模型友がみんな1/150キャラクターフィギュアを作っているので触発されたのである。
何張り合っちゃってるんですか。
彼らの腕の良さを痛感した……。玉砕であった。
またこんなものも注文した。わが「鉄研でいず!」のタペストリーである。今後きっと役に立つと思うのたのだ。

ガルパンのタペストリーを買おうとして、その前にこれを注文すべきと思うたのである。

同人誌即売会なんかでも使えそうですね、これは。
その前に私は地元豊岡で実車合わせをしてました。もうこのタンゴエクスプローラー、寿命を迎えちゃうから……そのお別れに。
満身創痍ですわね……タンゴエクスプローラー、まさに精一杯の活躍の末ですわね。
すごいウェザリング! ほぼ本物じゃないですか!
エアブラシの使い方も教わりました! ずっと缶スプレーでやってきたんですが、いい縁でエアブラシを始める気になったんです。
ワタクシもミエくんにエアブラシの食わず嫌いは良くないと以前から言っておったのだが、全く聞き入れなかったのだ。ミエくんはそういうところ頑なであるからのう。ワタクシの力量不足であるのだが、いささかフクザツであった。
え、そうだったんですか?
そうだったんですか、じゃないですよ。総裁もよく我慢してるなあ。私だったらキレちゃうわ。
斯様なことでキレていては命がいくつあっても足りはせぬからの。
そうかもしれませんわねえ。
そしてそのミエくんとの合流、七夕ミーティングの始まりである。その様子は続きにて!
つづきますー。
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登場人物紹介

長原キラ ながはらキラ:エビコー鉄研の部長。みんなに『総裁』と呼ばれている。「さふである!」など口調がやたら特徴ある子。このエビコー鉄研を創部した張本人。『乙女のたしなみ・テツ道』を掲げて鉄道模型などテツ活動の充実に邁進中。


*総裁のびっくりヒミツ能力(順次公開)

・隠れオッドアイ。安いラノベのキャラだと思われたくないので視力は悪くないのにカラーコンタクトをはめて眼の色を合わせている。しかしこのオッドアイのその眼を見てしまうと自白させてしまう作用がある。あまりにも危険なのでそれを抑制するためにもカラーコンタクト。


 ほかにもまだまだあります。


葛城御波 かつらぎ みなみ:国語洞察力に優れたアイドル並み容姿の子。でも密かに変態。しかしイマジネーション能力は随一。


武者小路詩音 むしゃのこうじ しおん:鉄研内で、模型の腕は随一。高校入学が遅れたので、実は他のみんなより年上。鉄道・運輸工学教授の娘で、超癒し系の超お嬢様。模型テツとしての腕前も一級。

芦塚ツバメ あしづかツバメ:イラストと模型作りに優れた子。イラストの腕前は超高校級。「ヒドイっ」が口癖。

中川華子 なかがわ はなこ:鉄道趣味向けに特化した食堂『サハシ』の娘。写真撮影と料理が得意。バカにされるとすぐ反応してしまう。

鹿川カオル かぬか カオル:ダイヤ鉄。超頭脳明晰で、鉄道会社のダイヤをアルバイトで組んでしまうほどの『ダイヤ鉄』。プロ将棋棋士を目指し奨励会所属。王子と呼ばれるほどハンサムな女の子。電子回路やプログラミングが得意。


田島ミエ たじまみえ:総裁の古くからの友人。凄腕の模型テツ。鉄研のみんなと一緒に大洗などを旅行したものの、関西在住で滅多に会えない。なおかつその実像は不明。

小谷奈々 おたりなな


総裁の友人。凄腕のBトレ自動運転の模型鉄。地下アイドルをしているらしい。ウサミン星がどうとか言っていたが詳細不明。

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