第25話 ワープ!鉄研時空に引きずり込め!
文字数 3,329文字
ちょ、ちょっと待って下さい! 詩音くんと総裁がデートしてたと思ったら、なんだか記憶に靄がかかったみたいになってる。まるで大学病院で実験したときみたいだ。
カオルちゃんもさらりと怖いこと言わないでよ!人体実験じゃない……でも私も意識がぼんやりしてる。ヒドイっ。
うむ。これはだな。いわゆるワタクシのKS-ATS(総裁式時間制御装置)が作動したのだ。
なっ、何言ってるんですか! はっ、ということは、また何ヶ月か原稿書くのを著者さんがサボったのね!
ちょっと待って下さい、今度は何ヶ月サボったんですか!
ええっ、63日、2カ月まるっとサボったんですか! なにやってるんですか!
そうやってすぐに日数計算できちゃうところがカオルちゃんさすがだなあ。
著者さんが追いつくのが大変よね。excelで計算しないと間違えちゃうって。
あー、また話がぜんぜん進んでない! どういうことですかこれ。総裁、説明してください!
うっ、それはだな。前回詩音くんと一緒に取材に行ったあと、とある事があってスケジュールが吹っ飛んだのだ。
Twitterもフーセン飛ばしてお祝いなのである。
でもミエさんとその依代・奇車さんの誕生日がきたことと原稿サボることには因果関係が存在しないですよ。
ま、まさかチャンネル登録者数がようやく1400人超えたからって浮かれちゃったんですか!!
こういう工作に夢中になって原稿のほうすっかり忘れちゃったんですね!!
おおよそはこのような要素の複合によって生じたと言えるであろうの。
鉄道事故というものは一つの原因のみで起きることは少ない。ほとんどが複合した原因によるのだ。
でも、そういう工作とか行事が立て込んで原稿執筆が遅延したわけですね。
さふなり。ゆえ、著者にはあのかつてのJR西日本の悪名高き日勤教育をせしむべしなのだ!
そんなことしたらもっと大きな事故起こしちゃいますよ! 科学的な対策大事!
ほんと、総裁は著者さんの労務管理、思いっきりブラック企業並みですもんね。
キャラクターに労務管理されるような著者の方が悪いのだ。すべて著者が悪い著者が。
著者などその程度で良いのだ。我らのことで小銭を稼いでおったのだし、その小銭もうまく稼げなかったボンクラであるからの。
そのせいで私たちの軍資金不足もひどかったですもんね。
ワタクシも内心穏やかでなく、それゆえ工作に没頭して忘れようと努めておった。
3Dプリンタの新規データ作成もできなくなるので、クラフトロボでラセン階段の段を切ってエビ串の芯に取り付けて螺旋階段を作った。しかし手すりのラセンを作るのが一苦労であったのだが。
ヒドイっ! 創意工夫って言ってあげてください奈々パイセン!
でも気がついたんだけど……いまは8月よね。でもなんか6月の話をしているうちに6月になっているような。
うっ、ばーれーたーかー!
これがKS-ATS(総裁式時間制御装置)の作る「鉄研時空」なのだ!!
力強く言ってもダメです! それになんですかこのご都合展開! SFにすらなってないですよ! ヒドイっ!
私、素でうちの著者さんがSF作家だってこと忘れてたわ……。昔講談社からSF出して、早川書房からも出してたのに……「艦これ」の艦娘みたいな女性型女性サイズ宇宙戦艦のシファさんを「艦これ」よりずっと前に書いてたのに。
我らの先輩シファ殿も最近は著者のせいでポンコツキャラになっておる! 実に由々しき問題なり。ここは著者被害者の会を立ち上げるべきであろうの。
もうメタ発言しすぎ―。でも著者さんの起死回生の軍資金作戦ってあったような。あれってどうなったのー?
そこで著者はそれなりに奮戦したのだが、結果が出るのが6月第1週目ということであった。だが6月1日は土曜日。
うっ。それは5月の最終週ですよ。ふつーは6月9日ごろまでみるべきではないでしょうか.
新しいバイトの試験、落ちちゃったのかな―、やっぱり。
ひいい、もう6月も中旬じゃないですか! で、でも……首の皮がつながったんですね!! ヒドイっ!!
ツバメちゃんひどくないよー! 著者さんがんばったんだよー!!
うむ、ワタクシが一肌脱げばこのように事は成るのだ。感謝せい、著者。
ひいい! 総裁の「あぶないみずぎ」じゃないですか! ひと肌脱ぎすぎですよ! ヒドスギル!!
総裁本当に脱いじゃったんですね……。やりかねないと思ってたけど。
もー。ぼくらの「健全な鉄道模型趣味啓蒙」って大義がすっかり迷子になってるよ―!
動じますよふつーに! でも、誰かがさっきからいないような。
たしかに。なんだかここの空気にジューシーな、やわらかな、ふわふわとした、ゆたかなものがたりない。ヒドイっ。
ツバメちゃん何ポエマーになってるのー。でもそういう感じー。
戻ってまいりましたわ。ちょっと買い物に行っていたのです。
はい、みなさんの分のハーゲンダッツ。ちょっとここで休憩いたしましょう。
は、ハーゲンダッツ!! 「鉄研でいず1」で詩音ちゃんの差し入れで食べて以来じゃない! ヒドイっ!
あれからぼくたちビンボーになる一方だったもんねー。
さふなり。しかしこのメールが届くまでの迷走ぶりはすごかった。
その迷走の中でも新宿2号踏切モジュールの工作は続けておったのだ。
すごくこのキメ構図、鉄道写真で見る本物の風景にそっくりになりましたね。
総裁も著者さんもそれなりにがんばっていたのですわ。
でもそれがすこし実ったんですねー。ハーゲンダッツが美味しいー。
本当に狭き門だったんですね。6名中2名しか採用されないなんて。でもだからがんばらないといけませんね。
でもあれ、6月って私の誕生日だけじゃなかったような気が。
これは……6月6日……総裁もこの日が誕生日だったんですね!!
結局こんなに間が空いたのにまたいつものわたくしたちですわ。これが「鉄研時空」なのでしょうね。
そしてまた我ら鉄研のエピソードが再開されるのだ。
JAM国際鉄道模型コンベンション本番まであと14日。
まさに佳境!!
その疾風ぶりをすこしでもこちらにも表現させたいのである!!
それに直前にこんなことしてて大丈夫なのー? 危なくないー?
そして、3月24日からのJAM出展に向けての130日の冒険が、目的地につこうとしている。
はたして出展は成功するか。それとも失敗するか。
この冒険のその行方は、まだだれも、知らない。
出展当日まで、あと、14日。
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