第43話 JAM展示3日目 神さまのいない最終日

文字数 2,327文字

とうとう最終日となった。車両も展示する出展者も運営事務局も、楽しいけれど疲労しておる。だが、あと少しで完走である。

また、その場内では2020年のJAM開催についての憶測が飛び交っておった。ビッグサイトは東京オリンピックで使えぬ。それゆえ大阪開催説までが流れておった。

大阪で開催されれば菜々センパイにとっては大きなチャンスですよね。それに地方開催を夢見ている人も少なくないし。
菜々センパイのウサミン星は大阪にありますもんね。
酷いこと言わないでください!
ミエさんも兵庫豊岡だから近くなって良いよねー。
毎年上京するのがしんどかったですからね。
しかし! 残念ながら事務局から出た結論は2020年をスキップし次回第21回は2021年開催となったのである。
大阪遠征も兼ねられて面白いかと思いましたが、安全策でしたね。
さふなり。しかもこうしている間に、さらにとても残念なことが!
え、なんですか?
なんと! ミエ君の小田急推しの熱烈な工作を目当てに元小田急運転士かつ模型監修でもあった濱崎氏が我々のブースに来訪していたのである!
えっ、あのTV番組「ほこたて」で最強の小田急社員として登場し幾多の小田急マニアとガチでクイズバトルした方ですよね。運転士、それもロマンスカー運転士から小田急の車両などの鉄道模型制作の監修に回ったという異色の経歴で有名な。
さふなり。氏とうちの著者とワタクシはいろいろな縁があって交流しておる。そのなかでミエくんと奇車製造さんの作品を氏に紹介していて、氏がぜひご挨拶したいとおっしゃられて来訪したのだ。それなのに!
まさか、ミエさん離席なさっていたのですか?
ミエくん、別件のために離席し千葉へ移動していたのだ!
ええーっ、もったいなくてヒドイっ!
ミエくんにとって上京の機会が限られているのだから仕方がないと思うておったのだが、それにしても今年は6月、7月とすでに毎月のペースで上京しておるのだ。それに抱合せで予定を立てると斯様なこともありうるぞよ。実にもったいない!
だって……だって……。
これではあれだけ氏がミエくんたちの作品に感動していても、ワタクシが代わりに聞いて、それをつたえるだけになってしまう。氏の感動ぶりはすごかったぞよ。
だって……。
これも次回に向けての課題であろう。せっかくのJAMなのであるから、二兎を追うのはもったいないと思うぞよ。
そうですね……。
でも、千葉で待っている方々へのミエさんのお気持ちもわかる気がしますわ。
うーん、でもミエさんがなにか抱えちゃってるのもわかるし……難しくてヒドイっ。
それはこれから何らかの解決を図るべきであろう。

その間、ワタクシはボシさんという凄腕モデラーの製作した比美津線レイアウトに「あまつかぜ」を入線させていただいたのである!

通路挟んで反対側のブースでやってたアレですよね。すごい精巧さと自然描写が素晴らしいレイアウト。でも「あまつかぜ」みたいな長編成は入線させられましたっけ。あのレイアウト、ちょっと小ぶりですよ。
「あまつかぜ」を徹底的に4両にまで減車した「あまつかぜエスプレッソ編成」として入線させたのだ。
「あまつかぜ」は編成変更が容易なモジュール設計してあることになってますもんね。
しかし走行させたものの、残念ながら「あまつかぜ」の動力不良傾向が続いていて、早々に撤収することとなってしもうた。
でも走行動画も撮れたんだねー。
あの風景に負けない自由形車両を作りたい、と思わされたのだ。

「あまつかぜ」の先頭車は工作精度の問題から少し大きくなってしもうておるからの。

いずれ3Dプリントで作り直したいと思うのだ。

次回への目標ができましたね。
次回は2年後ですけどね。ヒドイっ。
2年かけてじっくり練り込んでまたここに来たいと思うたのである。
ほかにもゲストがいらっしゃいましたね。
さよう。ぐそくむし氏のフルスクラッチのイタリア・ペンドリーノもわが北急奇車線に入線したのだ。なんと新宿2号踏切や第二菖蒲トンネルを北急オリエントエクスプレスとともに走ったのだ。
アツいですね!
しかし我が北急奇車線の規格のせいでうまく周回走行できなかった。残念なり。
それも次回に向けての課題ですわねえ。
そして壬生くれは氏の1/150キャラクターフィギュアも来訪したのだ。
あの1/150キャラクターフィギュア自作ブームの一翼を担ったものですよね。
ワタクシの1/150フィギュアとの共演シーンも撮ることができたのだが、しかしそうしている間になんと! 展示終了時間が迫っていた!
はやっ! 早すぎてヒドイっ!
3日目は著者さんも疲れていたけど、それ以上に展開が早かったですね。アツい展開も連続して、充実してましたからね。
ほかにもすみ鉄おうちレイアウトさんからは差し入れとして保線材料と車両のおみやげまで頂いてしもうた! C62SwallowAngelさんもフィギュアをおもちいだたいたのだが、うまく共演させることができなかった。すまない限りである!
今年のJAM、充実しすぎて今思うと短かったよねー。
完全燃焼しすぎて真っ白な灰も残らない感じでしたわ。
うむ。ゆえ、課題は多く次回にもっていくことになるが、展示自身は大成功であったといえよう。
そして閉会ですね。
2年後の同じ日同じ時同じ場所でまたおあいしましょう、と蛍の光とともに放送が流れ、第20回JAM国際鉄道模型コンベンション、無事閉会となった。別れのD51の汽笛もながれ、まさに大団円であったのだ。
おわったねー。
おわりましたね。
だが、肝心なのはこのあとであるのだ。
え、あとは撤収するだけですよね。
その撤収が大問題であったのだ。
ええええっ、どうしちゃったんですか!
それは次回に続く! のである!
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登場人物紹介

長原キラ ながはらキラ:エビコー鉄研の部長。みんなに『総裁』と呼ばれている。「さふである!」など口調がやたら特徴ある子。このエビコー鉄研を創部した張本人。『乙女のたしなみ・テツ道』を掲げて鉄道模型などテツ活動の充実に邁進中。


*総裁のびっくりヒミツ能力(順次公開)

・隠れオッドアイ。安いラノベのキャラだと思われたくないので視力は悪くないのにカラーコンタクトをはめて眼の色を合わせている。しかしこのオッドアイのその眼を見てしまうと自白させてしまう作用がある。あまりにも危険なのでそれを抑制するためにもカラーコンタクト。


 ほかにもまだまだあります。


葛城御波 かつらぎ みなみ:国語洞察力に優れたアイドル並み容姿の子。でも密かに変態。しかしイマジネーション能力は随一。


武者小路詩音 むしゃのこうじ しおん:鉄研内で、模型の腕は随一。高校入学が遅れたので、実は他のみんなより年上。鉄道・運輸工学教授の娘で、超癒し系の超お嬢様。模型テツとしての腕前も一級。

芦塚ツバメ あしづかツバメ:イラストと模型作りに優れた子。イラストの腕前は超高校級。「ヒドイっ」が口癖。

中川華子 なかがわ はなこ:鉄道趣味向けに特化した食堂『サハシ』の娘。写真撮影と料理が得意。バカにされるとすぐ反応してしまう。

鹿川カオル かぬか カオル:ダイヤ鉄。超頭脳明晰で、鉄道会社のダイヤをアルバイトで組んでしまうほどの『ダイヤ鉄』。プロ将棋棋士を目指し奨励会所属。王子と呼ばれるほどハンサムな女の子。電子回路やプログラミングが得意。


田島ミエ たじまみえ:総裁の古くからの友人。凄腕の模型テツ。鉄研のみんなと一緒に大洗などを旅行したものの、関西在住で滅多に会えない。なおかつその実像は不明。

小谷奈々 おたりなな


総裁の友人。凄腕のBトレ自動運転の模型鉄。地下アイドルをしているらしい。ウサミン星がどうとか言っていたが詳細不明。

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