第34話 赤の連鎖
文字数 3,339文字
ワタクシは孤独の中、落ち込んでいた。ミエくんも菜々センパイも応答がない。あってもかすかだ。
そして自己否定の嵐のなか、例の事件のことも心を重くしていた。
そんな中こんな図を書いておった。われら鉄研の副顧問・舘先生の愛車、ヴェルファイア改常磐651系Editionである。これを描きながら、大洗遠征のことを思い出していた。あの楽しい日々にはもう戻れないのだと。
詩音くんのマイバッハ・プルマン改グランクラスである。
そしてみんなでミエくんのところへ関西遠征しに行ったときのハイエース・東海道夜行急行「銀河」Editionである。
これに乗ってミエさんのいる豊岡に行ったんだよねー。車内でアイマスの話を総裁のお兄さんに聞いてみんな轟沈しちゃった―。なつかしいなー。
今となってはもうゆく方法もなくなった。懐かしい日々はもう戻っては来ない。
せっかく軍資金回復作戦はじめたのに、なんでこんなに落ち込んでるんですか。
涼宮ハルヒ先輩……やっぱり事件のことが響いてるんですね。
そんななか、作業もきつかった。カラープリンタを輸送したところ、設定がずれたらしく同じ道路の色が出せなくなっておった。しかし色調整もうまく行かず、結局眼と手でCMYKのパラメーター調整で色合わせするしかなかった。合わせるために20回以上出力し直したのである。
舗装の時期が違うことにしちゃえば舗装の色味違っても問題ないんじゃないー?
舗装の時期の違いをプリントの継ぎ目で表現すればよかったのだ。しかしその余裕すらなかった。
信号機や踏切警報機をマグネットで位置合わせできるようにしたのだ。これが7月25日時点である。
辛くてこんな図も貼った。我らの大先輩、時空潮汐力特等突破戦闘艦・シファリアス級1番艦・シファである。このときはこのセンパイにもすがりたいと心底思っておった。
そして信号機関連のモジュールの電装を確認した。確認しても1年前から手つかずで仮設のブレッドボード回路だらけである。これでは設営の時に時間がかかってしまう。
このように消し込み表をケータイに作って、少しずつ一歩ずつ進めていくのだ。
なんだかんだいいながら着実に進んでいたじゃないですか。
進んでいく感じはゼロであった。心がすっかり死んでいた。
それでも回路とコネクタをつくっていった。ブレッドボードよりもかなり小型化できるし、コネクタ化で接続容易になった。設営の時間短縮に貢献できればよいのだが。
確実にそうなってますよ。接続関係の強度も上がってるはずです。
そんなとき、著者の46回目のバースデーが来た。バケツ揚げ鷄を上納させたのである。そうでもなければ心が折れてしまいそうだった。
タイムラインじゃそういう感じなかったけどー。風祭駅と新宿駅にレイバー置いて楽しそうだな―って思ってたのに―。
こんな資料も作っておった。SE8C、信号機の制御に使うDCCボードのピンアサイン、端子の割当を表にしたものである。
つなぎ間違えて逆になっても信号機のLEDを破壊しないように工夫されてるんですよね。こんな有益なことしててもやっぱりだめでしたか。
こんな皆の姿を描いても、心は死んでミイラのようだった。
それだけひどいことが続いてしまいましたものね……。
あっ。レインボー室内灯! ようやく届いたんですね!
発表から実に3ヶ月もかかった。もうJAMには間に合わないのではないかと思うたぞよ。
装備した「あまつかぜ」が暗いところを走るとまるで「銀河鉄道999」の超未来の列車みたいですね!
どっかに松本メーター付いてるんじゃないかって思うほどだねー。
特に窓がグリッド状になってる車両にレインボー室内灯が付いてるのがものすごく効果的ですね。
この車両はライブステージカーであるからの。これがつく必然性がある。もしこの室内灯ユニットが発売されなければ自分でRGBのLEDの回路を組んで点灯させようと思っていたぐらいなのだ。ゆえ、これはまさに援軍であった!
さふなり。我らの出展するJAM国際鉄道模型コンベンションとはライバル関係にあるようなイベントである。そこの優秀な作例をみて、さらにワタクシは思いを強くした!
そのひとつが、「レイアウトでは碁盤目町割りは敵だ!」なのである。よほど都市計画がしっかりしておらぬ限り、普通の街なみの道路は歪んでおるものなのだ。
地図を見るとそうですわね。区画整理で碁盤目にしたいはずなのに、地形とかの要因で歪まざるを得なくなっていますわ。
それを再現するのが自然な密集風景のキモなのである!
さふなり。制作にあたって資料の確保に困ってしまったのだ。ワタクシもすでにロケハンしておったのに、このサザンタワーは撮り忘れておった!
しかもこれのことすっかりわすれてるよねー。まだ第2庁舎全然できてないし―。
さふであるのだ……どうにもまだまだポンコツなのである……。
それなのにこんなものを信号制御用のRail&Coで作っておった。実用性などないのに。
それというのも、サザンタワーの電飾の問題が大きくて乗り越えられそうになかったのだ。
頂部の赤点滅灯をつけるのは問題ない。問題はその下の赤灯である。
低い位置までついていたら、隣のJR病院の屋上にも点灯させねばならなくなる。
4個だけビルの四囲につけて終わりにできぬかも知れぬ。8個つけたら隣のJR病院もつけて12個自動的につけねばならなくなる!
工作の都合上諦めてもよいのだが、それではどうにもキモチワルイのだ。
モデラーの血ですわねえ……。しかしここからロケハンに行くのはお金と時間と体力の面であまりにもリスキーですわ。
そうこう迷っておるうちにこんなものも仕上げしてしもうたのだ。
いかにも夏ってかんじだねー。でも著者さんも競泳水着すきだなー。
そしてtomyさんとのリハーサルで気づいた運転用予備資材の購入も実施した。
本番のテーブルの高さの違いを吸収するためのスペーサー用ですね。準備万端だなあ。
そしてよねカーブモジュールなどのフチ塗り処理の実施である。ワタクシは新聞を購読しておらぬのでこういう時、新聞紙がなくてこまるのだ。
古新聞がAmazonで売られてるぐらい新聞紙の世界は闇が深いよねー。
それもまたワタクシが新聞を購読しない理由でもあるのだ。
そして新宿踏切・第二菖蒲トンネル・よねカーブを最短でつなげて試運転である!
今年のJAMに、この規模でコンパクトに出展するのもいいなと思うてしもうたなり。
計画そんな縮小したらみんながっかりしちゃうようー!
それでも迷いは続いておった。これで競泳水着鉄研はのこり3名となった。
昔から縁のあるつかさごさんから著者のバースデーにボディースーツのワタクシの図も頂いたのである。
そして著者にバニラバーを買いにひとっ走り行かせもした。
ウェブの資料でもサザンタワーとJR病院の赤灯の点灯の様子がはっきりせぬ。
これでは時間を空費しますけど、その時間そのものも足りなくなってきますわね。
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)