第54話:再度、ポルトガルへ1

文字数 1,698文字

 リスボンの中心街へ行き、香川里美、一行の泊まるホテルの前で止まった。ホテルのロビーで石津夫妻が待っていると20分ほどで化粧を整え着替えて4人の女性達がロビーに降りてきた。そして石津健之助の案内でファドレストランに入って最初にポルトワインで乾杯すると、甘くて飲みやすいと秀川節子が印象を述べた。他の人も旨いと口を揃えていった。

 その後、鰯料理が出ると、肉じゃなくて良かったといって、食べ始めると、これなら、私たちの口に合うわねと話した。次にシーフード・ブイヤベースが出て、パンにつけて食べると、これが絶品。サラダと、デーザーとのエッグタルトが出ると女性達は、大喜び、エスプレッソとエッグタルトが最高にうまいと絶賛していた。

 その後、ポルトやコインブラの話をしていると当たりが急に静かになったと思うと、ギターが鳴り出して、静かな雰囲気の中、女性の哀愁を帯びた歌声がはじまった。最初は、静かに、だんだんと熱を帯びて、独特のリズムと歌い方で、吸い込まれ様に歌の世界に引き込まれていった。どことなく日本の演歌に似た、雰囲気があり、なじみやすかった。

 静寂の中に、ギターの音と女の歌声が迫力を帯びてきて、盛り上がったと思うと、また、静寂へ、哀愁を帯びたと思うと情熱的に変化しながら、最後を迎えた。曲が終わると、拍手喝采。中休みが、あって、その間に、おしゃべりし、食事、デザートをいただいた。女性達は、しっかりとエッグタルトをおかわりした。

その後、食事をし20~30分位たった頃、大きな拍手に迎えられて、別のファドの男性歌手が登場しギタリストも交代した。また新しいをファドを歌うというか、叫ぶというか、そんな雰囲気で、歌い始めた。今度の曲は、特に哀愁を帯びていて、抑揚も聞いていて、香川里美、稲山美代子、菊田浜子、秀川節子達は、曲のクライマックスで、思わず,涙を浮かべていた。

  最後は、スタンディングオーべーションで、すごい盛り上がり、フィナーレで終了した。女性達は、口々に素晴らしい、日本人の心の琴線に触れる素晴らしい歌だわと,口々に、絶賛していた。そうして23時近くなり、精算して、女性達4人をホテルまで送り、石津夫妻は、タクシーで帰った。

 翌日、大型ワゴンタクシーでリスボンから1時間の海辺の素敵な保養地、ナザレの町へ行き、タクシーで町に入ると遠くに海岸線が見えて歓声が沸いた。その高台から海岸方向に、白い3~4階建てのマンションやアパートと平屋や2階建ての大きな別荘風の建物が建ち並んでいた。家の壁の色は、白色で、屋根はピンクがかった肌色で統一されていた。

 この景色と空の色と海の色が、良くマッチして素敵な風景だ。どんどん下っていくと右側に畑、左側に森が見えて少しすると海岸線に出た。ヨットハーバーに、多くのヨットが浮かんでいたが、広々としたつくりになっていて、車の駐車スペースも十分すぎるほど広くとってあった。その道の突端にナザレ灯台がありナザレビーチを中心に扇状に町が出来ていた。

 世界的なヨットの大会も開かれるようであり、ヨーロッパでは有名なヨットハーバーのようだ。最近開発された、海辺の保養地といった感じで、ポルトガルや世界中の富裕層が、別荘を持っていて観光に来るそうだ。あのレディ・ガガもポルトガルのゴールデン・ビザを取ったと言う話題は、ポルトガルで、誇らしげに語られていた。

 ナザレのヨットクラブで、美しい海を眺めながら昼食をとった。ワゴンタクシーの運転手にも食事を取ってもらい1時間位してナザレを後にし、リスボンに戻り町の名所を回ってもらった。そして、17時にホテルに戻り石津夫妻は、彼女たちと別れホテルに戻った。翌日、移民局で、ゴールデンビザの話を聞きたいという話が出たので9時に移民局に出かけた。

 石津三千子さんが、英語の通訳となって話を聞いた。35万ユーロ以上の家を買えば、永住権を得られて、海外からの利益に税金がかからない。また、その後、1年ごとの更新して5年経つと,ポルトガルの市民権も得られると言う話を聞いた。1時間以上、話を聞いて、移民局を後にして、ホテルに帰って来た。
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