第41話

文字数 391文字

自分の意見を先生に伝えたところ、何もしないと4~5年だということを聞いた。

私は晴れやかにそれに納得していただ、社長夫婦がしばらくいろんなことを質問してくれたが、自分の耳には入ってこなかった。

いろんなことを決めていたその時の自分としては、そんな話はどうでも良かったかだらだ。

妹は終始顔をあげずにその言葉を受け止めていた。

 帰りの車内はしばらく無言だった。
久しぶりにきちんと空を眺めた気がする。

いろんなことが晴れやかになると、忘れていた空の青さとか花の美しさとか人の強さとかが目に飛び込んでくる。

いつからか、そういう営みとかけ離れたところに行ってしまっていたんだと実感した。
(痛みを忘れたいとき、外を歩いて少し人間らしさを思い出そう)
などと考えていた。

その車内で久しぶりに
「何か、食べたいのある?」
と、他愛のない言葉を投げかけられた。

沈黙を破ったのは妹なりの最大限の優しい励ましだった。


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