第５２話

ある日突然、学校から呼び出された。

納期の迫る仕事を抱えているタイミングだったのだが、シッターではダメだと言う。

社長に仕事の方はフォローしてもらい、学校へと向かおうとすると、奥さんが付き添ってくれると申し出てくれた。

呼び出しの理由は私にとって衝撃だった。
甥が、クラスメートに怪我を負わせたという。

気が遠くなりそうなところを、奥さんが支えてくれた。
奥さんはなにか言いたそうだったが、口にしない。

発端は相手にあったようだが、手を先に出したのは甥だったと、何人かに聴取してわかっているらしい。

相手の親御さんも来ていて、お互いにお詫びをし連絡先を交換した。

でもそれだけにおさまらなかった。
担任が、ウチとはもう少しだけお話があると言うのだ。

甥はいま保健室で休んでいると言うので、奥さんが様子を見に行ってくれた。

最近、甥の様子が変なのだそうだ。
担任の先生も、母親が死んだばかりなので注視してくださっていたらしい。

忌引明けに学校へと出てきた時、担任の先生は衝撃を受けたそうだ。