第51話

文字数 566文字

妹の四十九日も過ぎ、部屋の隅に作られていたさ小さな祭壇が片付けられ、私はこの生活に慣れ始めていた。

そう、自分が当初考えていた路線に戻っただけだったから。

私はそこで本当に愚かな大人なのだと知らしめられる。

大きく欠落した部分が、小さなモンスターを生み出していたのだ。

最初に違和感を感じたのは、血のつながりのある私ではなく、頼んで来てくれていたシッターの娘だった。

最初は少なくとも私には普通に見えていたから、問題を含んでいるなんて気にもしてなかった。

ピリピリして仕事に追われてる私に言えなかったのか、社長の奥さん経由で心配された。

成長しているから小さくなった靴や服の替えを買った後、捨てようとしたら気付かれたらしい。
その日から、口をきいてもらえないのだそうだ。

その時は、妹が買ったもので執着があるからなのでは…と、2人で結論に至った。

狭い庭に、小さな簡易の収納小屋を買ってあげた。

あえて収納スペースを家の中に作らなかったのは、奥さんのアイデアだ。
閉じこもる先を部屋の中だけにしないように…と。

「君に、プレゼントだ。」
そう言って、妹が買って甥に与えたモノや妹が関わった、私や母なモノでもう使えなくなったやつとか残ってるだけ全て入れておいた。

鍵を一つ添えて。

それが少し悪い方へと向かうとも知らずに。
多分、甥以外満足していた矢先に事件が起きた。
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