第37話

文字数 300文字

手術を失敗するとは思っていない。

少なくとも、母の主治医でもあったあの医者は有名な名医ではないが、知る限り転移もなかった。

母が病気に負けたのは、再発したショックでうつ状態になってしまい、折角の2度目の手術も成功したのに、気力が負けたからだ。

そこについては、個人の心の問題で誰にも解決できないこと。
今はそう思える。

それでもその時は、母の世話を妹、私が甥の保護者代行という立ち位置が成り立っていたが、私が入院したら、妹は甥の面倒を優先せざるを得ない。

最悪、看病は誰かを雇うとしても、妹の手前そこに触れなかったが、治療費はもとより、私がいなくなった後の二人の生活費を天秤にかけてあれこれ考えてしまったからだ。

ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み