第40話

文字数 384文字

無駄にできない時間を、何日か使い目を合わせるたびに喧嘩していたように思う。
こんなとき、いつも母が緩衝材だったのだと痛感させられた。

そんなことを肌に感じたのか、ただただ言い争いに疲れ果てた妹が最終的に、
「お姉ちゃんは今まで、お姉ちゃんのやりたいようにしてきて今があるんだよね、じゃ、好きにすればいい。私は、お姉ちゃんがこの後苦しい思いをしても、関係なくあの子が小学校を卒業したら、ここを出ていくから。」
と、半ば諦めてそう言い放ち承諾してくれたのだった。

それからというもの、甥を介しての業務連絡のようなこと以外、私と話してくれなくなった。

何年か振りに、子供ころによくやっていた冷戦期間に突入した。
母がいなくなって、私達は本当はギリギリだったのだ。

落ち着いたのを見計らうかのように、社長夫婦が取り持ってくれて、子供抜きで4人で病院へ向かい、医者に場所と時間を作ってもらった。

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