第47話

文字数 261文字

心と身体がバラバラなのに、習慣や習性は恐ろしく、食事をとる以外は今までのルーティンが何とかしてくれていた。

ちゃんとした人間に戻るきっかけをくれたのは、他ならぬ甥だった。

数日ぶりに会った甥は、ぱっと見悲しみを通り越して日常に戻っていた。

社長の奥さんすら、悲惨すぎて私と目を合わせようとしてないのに。

「なんか、この部屋臭いよ。」
久しぶりに会って、あいさつの次がこのセリフだった。

まだアルコールの抜け切らない身体をムチ打って社長家族と甥に助けられながら、何とか人の過ごせるスペースを取り戻して、久しぶりに妹のところへと向かった。
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