第22話

文字数 258文字

母が心配しだしたので、せめて彼が小学校を出るまでは手助けさせてほしいと言ったものの、気持ちをまげる事ができない彼女は

「今までも十分すぎるくらい援助はしてもらった」
と言い張り譲らない。

仕方なく母に間に入ってもらい、今、彼が夢中になっている勉強方法を援助することだけ約束を取り付けた。

「お金のせいで、塾にすら通わせられなかったのは申し訳なかった。」
母の、その一言を聞いた妹が折れた形で、私が差し伸べる甥への手助けをのんだ形だ。

そしてそれが私達姉妹への母からの最後の架け橋になったことを、その時の私も妹も知る由もなかった。


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