第9話

文字数 238文字

その妹は高校を出てすぐに一人暮らしを始め、そして家には寄り付かなくなった。

私は母に頼らずに生きていくために、夜間大学を選んで昼はバイト、夕方から学校とほぼいえにいない生活。

もちろん母も働いていたので、三人で過ごしてきた2DKの狭いアパートには、平日は誰もいない。

土日は母だけの空間。
私はというと、頼まれて家庭教師のバイトをしていた。

この頃なんだか急にあの部屋に思い入れがなくなっていった気がしていた。
もしかすると母のことも、妹のことも幸せにできない部屋だったからかもしれない。

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