『心臓が痛い』(常葉「放課後R.I.P」)
文字数 418文字
そういう現象があるのは知っていた。
知識と体験は違うものだとも知っていた。
だけど、改めてそれを実感したら、ひどく驚いている自分がいる。
痛いというより締めつけるような。
自分でも感じられるものだったのか、なんて、他人事のような感想を抱きつつ理解した。
あぁ、恋をしてるのか。
*****
「恋歌さんにとって恋ってどんなもの?」
「どんなって……表現難しいよ」
「ときめきとかさ、そういうの」
「うわーってなる」
「どっか痛くなったりとかは?」
「痛い、のはあんまりないかなぁ」
「全然?」
「どっちかというとぎゅーっていう感じのはある」
「あぁ、うん、そうだね」
「常葉君?」
「僕は、結構痛いのもあったりしますけど」
「え?」
「全部恋歌さん次第だよ」
「わ、私だって常葉君次第だよ」
「嫌ですか?」
「や、じゃないよ?」
「僕も。痛いのは好きじゃないけど、これは結構好きみたい」
「…………」
「ん? 恋歌さん? どうしたの?」
「今は見ないでー」
「えー、見たいんですけど」
「ダメ」
知識と体験は違うものだとも知っていた。
だけど、改めてそれを実感したら、ひどく驚いている自分がいる。
痛いというより締めつけるような。
自分でも感じられるものだったのか、なんて、他人事のような感想を抱きつつ理解した。
あぁ、恋をしてるのか。
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「恋歌さんにとって恋ってどんなもの?」
「どんなって……表現難しいよ」
「ときめきとかさ、そういうの」
「うわーってなる」
「どっか痛くなったりとかは?」
「痛い、のはあんまりないかなぁ」
「全然?」
「どっちかというとぎゅーっていう感じのはある」
「あぁ、うん、そうだね」
「常葉君?」
「僕は、結構痛いのもあったりしますけど」
「え?」
「全部恋歌さん次第だよ」
「わ、私だって常葉君次第だよ」
「嫌ですか?」
「や、じゃないよ?」
「僕も。痛いのは好きじゃないけど、これは結構好きみたい」
「…………」
「ん? 恋歌さん? どうしたの?」
「今は見ないでー」
「えー、見たいんですけど」
「ダメ」