第51話
文字数 706文字
打たれた竹原は慌てて、「あっ・・はい。あっ、それと消費税と配送代が少し」
「いくら?」とたたみ掛ける順子に対しメモを見ながら、「併せて二千から三千円程かと」と
答える竹原。
それを聞くと順子は目を閉じて何かを考え出した。その様子を伺っている竹原は、
(やっぱり、余計な事しちゃったかなぁ。これは怒られる・・かなぁ・・)と後悔をし始めた時、「行くよ」と順子が言うや否や立ち上がって出かける準備をし始めたのを見て慌てた竹原が、「エッ、ど・何処へですか」と訊くと順子は竹原を見据えて、
「決まってるでしょう、道明寺。林田さんや竹田さんとも相談しなくちゃいけないでしょ」と笑みを浮かべた表情で答えた。
その表情を見て竹原は安心したのか笑顔になり順子を見詰めていた。すると順子は、
「なにボケ~っとしてるの。速く支度しなさい。資料忘れずに。さあ行くわよ。良い知らせは早い方が良いに決まってるんだから」と言うと竹原は、「はい」と嬉しそうに返事をしつつ支度を始めた。
因みに、順子は南堀江のダイニングバーで林田から大川の事情については聞いていたのだが、
竹原は大川の事情は全く知らなかった様で、この日に行われた林田と竹田との打合せの折
に伝えられる事になり大川の事情はめでたく四人と北畠宮司の秘事と成ったのだった。