第83話
文字数 536文字
そしてその中を道明寺天満宮を出発した歴史行列の一群が威風堂々と入場し始めると、会場内は一気にまつりへの期待感と昂揚感などのボルテージが上がり。人々の表情に笑顔が満ち溢れだしたのだ。
誰もが今日一日をこの場所・このイベント・まつりで楽しもうと云う顔になって居る。
この町の人々の気風なのかもしれないが、どの表情からも、踊る阿呆に見る阿呆、同じ阿保なら踊らにゃ損々。と云った感じが窺える。
ケッタイな町のケッタイなおまつりの始まりを象徴する光景と云える。
さて、イベントの進行状況はと云うと。
入場行進を終えた歴史行列の一群がステージ前に整列し終えると、ステージ上に主催者を代表して道明寺まちづくり協議会の大川副会長が登壇しまつりの開会宣言を行い。既にステージ上に整列している浪速鉄砲隊の面々による演武が行われる。
この難波鉄砲隊の演武とは、ズバリ、甲冑に身を纏った面々が、それぞれ手にしている火縄銃を発射すると云うモノで、宣言直後の景気づけ的なモノとなる。
しかし、これが結構厄介で順子にとって不安の種の一つであり。この道明寺合戦まつりの最初の見せ場でありながら最初の懸念材料ともなっていた。