運命のとき⑴
文字数 789文字
確か、夢で見た記憶には、猫を見た途端、導かれるようにして道路に飛び出した────!
はっちゃんは、まだ猫を見つけてないみたい。
まって、どういうこと!?
パパのそばにいるチョコと、はっちゃんのそばにいるチョコ。
どっちが本物!?
パパもはっちゃんも気づいてないの!?
パパのそばにいるチョコが本物なんだ!
《……クッ! これだから犬っていう生き物は嫌いなんだよ》
名無しさんの声が頭の中に流れ込む。
すると、11歳の私のそばで花の冠をかぶっているチョコの顔が、徐々に名無しさんの顔に変化していく。
チョコにはわかるんだ!
はっちゃんに知らせなきゃ!
その犬はチョコじゃないって!
チョコに化けた名無しさんが突然かけだした。
もし、このまま道路へ飛び出したら────っ!!