記憶を取り戻すために⑷
文字数 596文字
そうだ、さっきもそんなことが……。
さっきと同様、尻もちをついた私に、心配そうに手を差し伸べるきれいなお姉さん。
もう一方の手には大きな花束────!
《おい、なにもたもたしてんだ。はやくオレを追いかけろ!》
あの花……っ!
さっきのお姉さんが供えたものだったんだ!
カイと、あのお姉さんって────!
《おい、余計なこと考えんな。時空の扉に、間に合わなくなっちまうぞ!》
プップッ──────!
まさか私……、
もう死にたくないっ!
《──────ようこそ、5年前の世界へ。あんまり、過去の人間とかかわんなよ。じゃあな……》
え……?
プップッ─────!
私……、死────……!
突然、男の人の怒鳴り声とともに、腕をグイッと引き寄せられる。
この声……!