代償⑴
文字数 991文字
トラックの運転手さんによって救急車は到着したものの、パパは搬送中に息絶えた。
そして、11歳の私はというと、2日後、目を覚ました時にパパの死を知ることになる。
未来を変えることができなかった。
そっか、海には名無しさんの姿が見えないんだ。
チョコとじゃれている海を見る。
バイクのお兄ちゃんとの思い出が消えちゃうなんて!
そう、全て忘れる。そして、彼らもな。
なにも気にすることはないさ。だって、みんなが忘れてるんだからさ。過去の奴らは、過去の奴らで、そこに“おまえ”はいたけど、“おまえ”のいないストーリーが出来上がるってわけさ。まー、おまえが関わりすぎたせいで、多少……、いや、かなり変わってしまった
そうだ、ママに早く伝えなきゃ!