地縛霊？⑶
文字数 757文字
────俺も、自分が死んだなんて信じられなかった。３年前の今日……、俺はここで死んだ。
ここ……で？
ああ。“あの世”っていわれる世界に───、なんか俺には思い残したことがあるみたいでさ、それを思い出すまでいけないんだとか。それがなんだったのか、いまだにわからない。だから、俺はここから離れられないんだ……。
離れられない？ 離れられないって、どういうこと？
…………。
ちょっとまって。それって、つまり……。アレよね？
アレ？
そう、アレ……。
“アレ”ってなんだよ？
だから、アレっていったらアレよ！
はっきり言えよ。
もうっ！ 自分の死んだところから離れられない霊のことっ！
あなた、
そっ、あたり！
なんでそんな、うれしそうな顔してんのよ？ てか、当てちゃった……。
なんでそんな、うれしそうな顔してんのよ？ てか、当てちゃった……。
なあ……、
ち、
近寄らないでっ！
むむむ無理無理無理っ！
私は指で十字をつくってみせる。
なんだよ、急に。地縛霊だって知った途端、みんなそーゆー態度とんのな。そんなに引かなくてもいいだろ？
無理なもんは無理っ！ そんな爽 やかそうな顔をして、“実は地縛霊なんです～”って反則でしょっ！
はあ？
てかココ、いわくつきの場所だったよね。夜中にお化けが出るっていう！
へぇー。
知らない？ 夜中にこの大通りを通ると、バイクが走ってきて、目の前までくるとスッと消えるとかなんとかっていう有名な話があるんだけど……。
あれ？
バイク？
ちょっとまてよ、まさか……。
……あっ！
それ、俺だわ。毎日暇だし。
えっ……。
やっぱり、おまえかい！
そっかそっか。俺って、実は有名人だったんだ。よしっ！ 俺、アンタの友達になってやるよ。
えっ？
友達第１号なっ！ 仲良くやってこーぜ！
え、
えぇ────っ!?
