加茂倉少年の恋 其の八
文字数 854文字
部屋に俊介君の声が響き渡った後、私たちは彼を見つめたまま固まったように動かず、部屋はシン……と静まり返った。
そんな中、私は彼の言った言葉を頭の中で整理する。
えーと?
廃病院で会った二人はどちらも男の子だったはず……。
そしてその片方の子の名前が啓太くん。
さらに俊介君の言った言葉から判断すると……
啓太くんは俊介くんの事が好きで、告白したって事よね。
つまり……
「恋に性別なんて関係ないと思うのっ!」
拝むように両手をパンッと重ね合わせ、私は結論づける。
「つまり、少年よ大志を抱けってことだね?」
「それ意味違うってっ」
グッジョブ! と親指を立てる宗近くんに私は突っ込む。
栄慶さんはまだ無言で俊介くんを見ていた。
「あ……あの……」
「俊介くんっ、恋する気持ちは誰にだってあるものよ? それが同性であっても同じことなの」
「え、あの……」
「それを受け入れるかどうかは俊介くん次第だけど、彼の気持ちは理解してあげて?」
「そうそう、ボーイズビーアンビシャ~スっ!」
「だからそれ違うってっ」
「あ、あのっ、違いますっ! 俺も啓太も普通に女の子が好きですからっ!!」
「――へ?」
「あいつが俺のこと好きだなんて絶対に思ってませんからっ!!」
俊介くんは身体を乗り出す様にして座卓に両手をつき、必死に首を左右に振る。
「えーと? じゃあ、さっき言ったのは?」
啓太くんに告白されたのよね? と確認すると、俊介くんはコクンと頷き座り直す。
「俺の事を好きって言ったのは啓太です。でも告白は啓太だけど女の子です」
「啓太くん? 女の子??」
「あの、つまりですね……ええと……」
「憑依されたのか」
言いよどむ俊介くんの代わりに、沈黙を守っていた栄慶さんが静かに口を開いた。
「え!?」
「あーそう言う事かぁ~」
(つまり……)
啓太くんに憑依した女の子が告白してきたって事!?
そんな中、私は彼の言った言葉を頭の中で整理する。
えーと?
廃病院で会った二人はどちらも男の子だったはず……。
そしてその片方の子の名前が啓太くん。
さらに俊介君の言った言葉から判断すると……
啓太くんは俊介くんの事が好きで、告白したって事よね。
つまり……
「恋に性別なんて関係ないと思うのっ!」
拝むように両手をパンッと重ね合わせ、私は結論づける。
「つまり、少年よ大志を抱けってことだね?」
「それ意味違うってっ」
グッジョブ! と親指を立てる宗近くんに私は突っ込む。
栄慶さんはまだ無言で俊介くんを見ていた。
「あ……あの……」
「俊介くんっ、恋する気持ちは誰にだってあるものよ? それが同性であっても同じことなの」
「え、あの……」
「それを受け入れるかどうかは俊介くん次第だけど、彼の気持ちは理解してあげて?」
「そうそう、ボーイズビーアンビシャ~スっ!」
「だからそれ違うってっ」
「あ、あのっ、違いますっ! 俺も啓太も普通に女の子が好きですからっ!!」
「――へ?」
「あいつが俺のこと好きだなんて絶対に思ってませんからっ!!」
俊介くんは身体を乗り出す様にして座卓に両手をつき、必死に首を左右に振る。
「えーと? じゃあ、さっき言ったのは?」
啓太くんに告白されたのよね? と確認すると、俊介くんはコクンと頷き座り直す。
「俺の事を好きって言ったのは啓太です。でも告白は啓太だけど女の子です」
「啓太くん? 女の子??」
「あの、つまりですね……ええと……」
「憑依されたのか」
言いよどむ俊介くんの代わりに、沈黙を守っていた栄慶さんが静かに口を開いた。
「え!?」
「あーそう言う事かぁ~」
(つまり……)
啓太くんに憑依した女の子が告白してきたって事!?