Curry du père 其の十六
文字数 566文字
栄慶さんが私の名前を呼んだだけで、身体が沸騰するように熱くなるのが分かった。
彼のキスが嬉しかった。
与えられた熱情に、心が温かく満たされた。
この気持ちを【好き】以外で表現する事なんて出来ない。
そうよ、私は……栄慶さんの事……
(初めて会った時から好きだったの……)
でも認めてしまうのが怖かった。
受け入れる事ができなかった。
今までまともな恋なんてしたことがなかったから……
栄慶さんの……馬鹿。
今更、遅いんだから。
散々私の事からかって、意地悪して、面白がってた貴方の前で、今更素直になんてなれないんだからっっ。
(今更好きって言えないんだからっっ)
栄慶さんの馬鹿――っ!!
「でも……好きですよ」
両手で数珠を握りしめながら、私は小声でつぶやく。
今はまだ素直になれないけど……
いつか…
言ってやるんだからっ!
栄慶さんが困るくらい、言ってやるんだからっっ
「――――、よしっ!」
私は勢いよく立ち上がり、気合を入れる。この件は終わりっ!
今は私の出来る事をしなきゃっ!!
彼から預かった数珠を持って、私は寺を後にした。
彼のキスが嬉しかった。
与えられた熱情に、心が温かく満たされた。
この気持ちを【好き】以外で表現する事なんて出来ない。
そうよ、私は……栄慶さんの事……
(初めて会った時から好きだったの……)
でも認めてしまうのが怖かった。
受け入れる事ができなかった。
今までまともな恋なんてしたことがなかったから……
栄慶さんの……馬鹿。
今更、遅いんだから。
散々私の事からかって、意地悪して、面白がってた貴方の前で、今更素直になんてなれないんだからっっ。
(今更好きって言えないんだからっっ)
栄慶さんの馬鹿――っ!!
「でも……好きですよ」
両手で数珠を握りしめながら、私は小声でつぶやく。
今はまだ素直になれないけど……
いつか…
言ってやるんだからっ!
栄慶さんが困るくらい、言ってやるんだからっっ
「――――、よしっ!」
私は勢いよく立ち上がり、気合を入れる。この件は終わりっ!
今は私の出来る事をしなきゃっ!!
彼から預かった数珠を持って、私は寺を後にした。