Scene13 暗闇から光へ…。場所は、船の中のトレーニングルーム。

文字数 2,121文字


  海里と海斗の卓球対決。海里はスマッシュを決めた。
 海里「お姉ちゃんの勝ちのようね」
  海斗はヘナヘナと腰を降ろした。
 海斗「スポーツ系は、やっぱりお姉ちゃんが強いや」
 未来「次は俺の番だな。女の子だからって手加減しないよ」
 海里「そんなこと言っている余裕があるのかな?」
 未来「負けて泣いても知らないよ」
  海里と未来の卓球対決。どちらも譲らずだった。
 伊都子(ナレーション)「この卓球対決は、最後に勝ち残った人が、わたしと対決します。海斗君との対決を制した海里さんは、未来君と対決。なかなか決着が着かないようです。…と言うよりか、二人とも仲良く卓球を楽しんでいるように見えます。もう、わたしとの対決が控えているのに、二人だけの世界に入っているなんて。…ぷんぷん」
 未来「なあ、海里。そろそろ決着を着けないと、伊都子の機嫌が悪くなるな」
 海里「うふふ…。そうね。じゃあ、これで決着よ!」
 海里はスマッシュを放った。未来はそれを跳ね返した。
 海里「うそっ!」
 未来の返した球は、海里の陣地に入ってから転がった。
 未来「えっ、入った…」
 伊都子「未来君の勝ちだね。じゃあ、未来君、覚悟はいいね?」
 未来「ああ、臨むところだ」
 海斗(ナレーション)「さあ、未来さんと伊都子さんの対決です。この対決でnumber 1が決まります。未来さんが勝てば、帝王の座に君臨できます。また伊都子さんが勝てば、女王様の座を守れて、未来さんには女王様からのお仕置きが待っています。なんと女王様からのお仕置きは、愛のムチ百連発だそうです。さて、未来さんは勝てるでしょうか?」
 未来「海斗、それ一言多いと思うけど…」
 海斗(ナレーション)「ははは…やっぱりバレちゃった?」
 伊都子「…と、話も終わったところで、わたしと未来君の対決は始まりました」
 伊都子は、そう言いながら、サーブを打った。未来は返した。
 海斗(ナレーション)「おっと、これは白熱した試合だ。両者とも譲らない」
 女の子が、海里に近付いてきた。
 女の子「What do you do?」
 海里「I playing table tennis wish my friends.」
 女の子「What your name?」
 海里「My name is Kairi. What your name?」
 女の子「My name is Kate. Nice me to you.」
 海里「Can you speak Japanese?」
 女の子「little…」
  女の子の足元に球が転がって行った。
 海斗(ナレーション)「ついに勝者が決まった。伊都子さんは未来さんを制しました。女王様の座を守り抜きました」
 伊都子「さあ、未来君。覚悟はいい?」
 未来「…はい。女王様」
 伊都子「じゃあ、目を瞑って…」
  未来は言われた通りに目を瞑った。伊都子は、未来の口に飴玉を入れた。
 伊都子「はい。飴とムチ…何てね!」
 海里「ちょっと、それは、わたしの決め台詞だよ」(大爆笑!)
 伊都子「それより海里、その子は?」
 女の子「Is she your friend?」
 海里「Yes,she is.」
 女の子「初めまして、わたしはケイトと言います。あなたは海里さんのお友達ですね」
 伊都子「はい。初めまして、伊都子と言います」
 ケイト「伊都子さん、あなたは卓球が強いのですね。是非、わたしと勝負して下さい」
 海斗(ナレーション)「おっと、ここで女王様の座を守り抜いた伊都子さんに、新たな挑戦者が現れた」
 伊都子「臨むところよ、ケイトさん」
  伊都子とケイトの対決が始まった。ケイトは強いようだ。伊都子は押されていた。
 海斗(ナレーション)「挑戦者のケイトさんに、女王様の伊都子さんがピンチ。激戦が続く中、観客も増えて来た。事の始まりは、僕とお姉ちゃんのトランプ対決からだったが、ここまで大きくなるとは、夢にも思っていなかったよ」
 未来「あのケイトって子、やはり素人じゃないな」
 海里「うん。未来君の時はまだ余裕があるように見えたけど、あの子の場合は、伊都子さん、必死になっている」
  ケイトのスマッシュが炸裂した。伊都子は足にきており、床に倒れた。
  そして、球は伊都子の陣地に入ってから、床に落ちた。
 海斗(ナレーション)「ここで試合終了。なんと女王様と恐れられた伊都子さんが、突然現れた挑戦者のケイトさんに敗れた。やはり世界の壁は厚かったのか。ケイトさん、恐るべし!」
  ケイトは伊都子に握手を求めた。伊都子は応えた。
 ケイト「伊都子さん、あなたと試合をして、とても楽しかったわ。また相手をしてくれるかな?」
 伊都子「ケイトさん、わたしも強くなるから、次は負けないよ。…ありがとう」
 海里「伊都子さん、良かったね」
 伊都子「海里さん、あなたと一緒に来て本当に良かった。わたし、やっと自分のやりたいことが見付かったよ」
  暗闇へ…。
 海斗(ナレーション)「伊都子さん、ケイトさん、素晴らしい試合をありがとう。こうして伊都子さんは、自分の本当の夢を見付けて、世界を舞台に戦うことを誓った。世界の大舞台でケイトさんと戦うのだと…」



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