Scene15 場所は船の中の廊下。
文字数 934文字
伊都子(ナレーション)「少しずつ日は流れる中、わたしたち仲良し四人組は、見知らぬ国々を見ることができました。また国境を越えて様々な国の人との出会いもありました。どれも大切な宝物です。そして、何よりも、この四人で一緒に旅ができたことが、本当に大切な宝物だと思います」
暗闇から光へ…。
ハンドバックを持った泥棒が走っていた。その後を、ケイトが走っていた。
ケイト「Let’s stop! Let’s hanging!」
泥棒の前に海里が立った。
大西(泥棒)「どけ!」
海里は大西(泥棒)に巴投げをした。ハンドバックは床に激突して中身が散らばった。
海里「あっ…」
海里は、慌ててハンドバックから散らばった物を拾い集めた。
ケイトは海里の傍に駆けて来た。
ケイト「Thank you…。あっ、海里じゃない」
海里「ケイト、ごめんね。あなたの荷物を散ばしちゃった…」
ケイト「ううん、いいの。ありがとう」
散らばった荷物の中に、一枚の写真があった。海里は、その写真を見て大きな衝撃を受けた。
海里「ママ…。ケイト、この写真、わたしのママが一緒に写っているけど…?」
ケイト「…ということは、あなたがマリリン叔母さんのお譲ちゃん…?」
海里「そうなの…。じゃあ、ママのことも知っているのね…」
海里は、少し暗い顔になった。
ケイト「…辛いと思う。実は、わたしはママに、あなたを説得して、あなたをママに会わせることを頼まれたの。もちろん、わたしもママと同じ思いで、あなたを連れて行く。でも、あなたは大丈夫みたいね…」
未来「おい、海里、大丈夫か?」
海斗「お姉ちゃん、泥棒を捕まえたのだって」
未来、海斗、伊都子の三人が駆けて来た。
ケイト「だって、こんなに素晴らしい友達がいるもの」
海里「うん!」
海里は笑顔になった。
光から暗闇へ…。
伊都子(ナレーション)「旅は道連れ…そう言って、わたしはケイトさんを誘いました。そこでわかったことですが、ケイトさんは、海里さんと海斗君のママの姉の子供だそうです。そして、この二人を迎えに来たそうです。つまり、旅の目的は、わたしたちと一緒でした。そして、船の旅は終りを迎えます。八月二十日、アメリカに到着しました」