Scene17 暗闇から優しい光へ…。ケイトの家のとある寝室。
文字数 947文字
未来「もう明日か…。明日の朝、海里と海斗はママに会うんだな…」
海里がパジャマ姿で、ぬいぐるみを抱いて寝室に入って来た。
未来「どうした?」
海里「眠れないの…。一緒に寝ていい?」
未来「ちょ、ちょっと待て…。それはちょっとまずいんじゃないの…」
未来は顔を赤くして慌てた。海里は少し俯いて泣き出した。
海里「…そうだね。…そうだよね」
未来は困っていた。少し間を置いた。
未来「…いいよ。俺の横に来ても…」
海里「えへへ…未来君、ありがとう」
海里はケロッと笑顔になった。
未来「お前なあ、いくらなんでも、それは変わりすぎだろ」
海里「いいの、いいの…。じゃあ、お邪魔します」
海里は、未来の横に寝転がった。
海里「未来君、あったかい…」
未来「ちょっと、お前、くっ付きすぎだよ」
寝室のドアがガラッと開いた。二人はギクッとなった。海斗と伊都子が入って来た。
伊都子「あっ、海里さん、それはちょっとずるいよ」
海斗「それに、未来さんもだよ」
海里&未来「あ、あの…これにはわけが…」
海里の顔面に枕が当たり、未来の顔面にも枕が当たった。
伊都子&海斗「大当たり!」
海里&未来「えっ?」
伊都子「二人とも、どうせ眠れないのでしょ。わたしたちと枕投げで勝負しない?」
海斗「お姉ちゃん、枕投げでは負けないぞ」
海里「未来君、どうする?」
未来「そうだな、一著やったるか」
四人の枕投げが始まった。海里と未来、伊都子と海斗の二組で争われた。
海里の投げた枕は、海斗が避けて、寝室に入って来たケイトの顔に直撃した。
ケイト「あなたたち、何やっているの?」
海里「ケイト、ごめん。わたしたち眠れなくて、枕投げをしていたの」
ケイト「それ面白そうね。わたしも仲間に入れてよ」
海里「えっ?」
海里はそう言っている間に、ケイトが投げた枕を顔面に受けた。
海里「ケイト、やったね」
優しい光から暗闇へ…。
伊都子(ナレーション)「ケイトさんも加わり、わたしたちは枕投げに熱中しました。そして、いつの間にか眠っていたようです。朝、目覚めたら、五人とも同じ寝室に寝ていました。どうやら、わたしが先に目覚めたようです。この朝の状況はすごいことになっていると思いますので、ご想像にお任せします」