指導員をやって良かったこと
文字数 562文字
もちろん、子どもたちと接すること自体が一番の楽しみであり、現代空手に疑問を持ちながらも長く続けられた最大の理由です。
それと同時に、自分自身の技術や知識の向上にもなったことが大きな利点でした。
特に、自分より背の低い者との組手は、低身長の筆者にとっては貴重な経験でした。
小学校高学年や中学生を相手に、背の高い者の視点をじっくり研究することができました。
さらには、掛け受けや回し受けなど、腕力のある大人相手では到底できないような高等技を色々と試させていただきました。
もちろん、怪我をさせないよう加減して。
ついでに手加減も上手くなりました。
また、指導には説明をするための理論が必要になりますから、空手のことを深く知るきっかけにもなりました。
ただし、深く突っ込み過ぎたせいで現代空手の実態を知ってしまい、子どもたちから先生と呼ばれる立場を捨てることになってしまいましたが…。
他の先生方のように「知らぬが仏」でいたかったという思いもあります。
多少の矛盾など気にせず、先生を続けていれば良かったという後悔もあります。
しかし、そんなぬるま湯に浸かった状態からの進歩はありません。
筆者はもっと成長したいのです。
筆者は今も学生気分なのです。
「神棚に乗るのは年老いてからでけっこう」
と、さる高名な空手家が言っていた気がしますが、筆者も同意見です。