筆者が道場で教わったこと②ワン・ツー回し蹴り
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入門して一ヶ月ほどが経った頃、このまま空手を続けられそうだということで、親に防具を買ってもらいました。
ここから本格的に組手の練習が始まります。
そして、組手用の技として初めに教わったのが「ワン・ツー回し蹴り」です。
「ワン・ツー」は、ボクシングで最も基本的なコンビネーションであり、
ジャブ→ストレート
と順に繰り出す連撃のことです。
空手にジャブはありませんので、この場合は、
ストレート(正拳突き)→ストレート(正拳突き)
になります。
つまり、2発の上段正拳突きで相手のガードを上げさせた後、ガラ空きとなった中段(ボディ)に回し蹴りを叩き込む。
それが「ワン・ツー回し蹴り」です。
防具付き組手のルールでは、この「ワン・ツー回し蹴り」こそが最も基本的なコンビネーションだと教わりました。
…妙ですよね。
ボクシングの技術であるワン・ツーとムエタイから取り入れた回し蹴りが空手の基本だなんて。
せめて技名だけでも日本武道っぽいものにすればいいのに、英語と日本語が混じったままだなんて…。
でも、これが現代空手なのです。
当然ながら、その頃の筆者は疑問を抱くこともなく、言われるままにワン・ツー回し蹴りを磨いていました。
筆者だけではありません。
誰一人として先生に疑問を投げかける者はなく、そこから15年経っても組手の基本は「ワン・ツー回し蹴り」のままでした。