空手は日本発祥ではない？

「え?　空手は沖縄で始まったんだから日本発祥に決まってるだろ?」

そう思うかもしれませんが、事はそう単純ではありません。

なぜなら、現在の沖縄県が正式に日本の一部となったのは1879年のこと。空手はそれ以前から存在しているわけですから、正確には日本発祥ではなく『琉球王国発祥』ということになります。

「そんな昔のこと知らねえよ」
「細かいこと言うな」

そう思う人は想像してみてください。

仮に、アメリカが日本を占領したとして、アメリカ人たちが柔道も剣道も相撲もアメリカ発祥だと言い出したら、屈辱的ではありませんか?

「それとこれとは事情が違う」
と、おっしゃる方もいるでしょう。

なにせ、琉球王国時代の人は、もう一人も生きてはいませんから。

それに「空手」という表記がされるようになったのは明治後期から大正時代のことで、それ以前は「唐手(トゥーディ)」または「手(ティ)」と呼ばれていました。

ですから、
「かつて琉球人が中国武術を参考に唐手を作ったのと同様、我々日本人は唐手を参考に空手道を作った。だから空手は日本発祥だ」

という意見も、あながち間違っているとは言い切れないのです。
要するにハッキリしないワケです。

柔道、剣道、相撲、弓道、合気道、なぎなた

これらの武道は堂々と「日本発祥だ」と言えるのに、空手はハッキリしないのです。