段位が高いほど強いのか?
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結論から言って、そうとは限りません。
二段より初段の方が強いこともあるし、五段より初段の方が強いこともあります。
では強さ以外の何を基準に段位が上がるのか?
流派による違いはありますが、概ね次の要素が基準になります。
①経験年数
経験年数が多いことは段位を取得する上で重要とされています。なぜなら、経験年数が多いということは、それだけ多くの月謝を納めているわけですから、道場主にとっては大変ありがたい存在なわけで……。
そんなありがたい生徒がやる気を失っては困るので、道場主は何かしら評価をしてあげなければなりません。
それが段位です。
要するに、実力が少々(明らかに)足りなくても、金銭という形で道場に貢献していることを評価して段位をあげましょう、という話です。
そういう事例を筆者は幾度か見てきました。
②指導者としての資質
自分自身はそれほど強くなくとも指導者として優秀であれば、これも大きな評価となります。
技術面はもちろん、コミュニケーション能力がとても大事です。特に少年部の指導をする場合、保護者に気に入られることが大事です。
③大会運営スタッフとしての貢献度
試合や審査会でスタッフとして貢献することも大事な要素です。特に主審ができる人材は貴重なので、これも大きな評価基準となります。
ちなみに、筆者の流派では大会運営スタッフは基本無給でした。出てもせいぜい寸志でした(日給千円+弁当)。
④型の試合で実績を残す
組手は苦手でも型が上手ければ大きな評価になります。
もちろん、この場合の型というのは、空手特有の身体使いを覚えるための型ではなく、見栄えが良い方の型です。
要するに、さほど強くなくとも、何かしら一芸に秀でているか、道場の運営に貢献してさえいれば、五段でも六段でも取得できるのです。
とはいえ、やっぱり高段者には強い人が多いかといったら、案外そうでもありません。
たぶん一番強い層は二段か三段くらいです。
というのも、段位の取得には年齢制限があるため(二段は16歳以上、三段は20歳以上など)、大抵の人は四段を取得する頃には選手としてのピークを過ぎてしまうのです。
改めて結論。
段位はあまり当てになりません。
所詮は数字です。
こだわるほどのものではありません。
筆者の段位も気にしないでください。