最強の武術・格闘技は何か?

文字数 1,352文字


「ルールによって違う」
「状況によって違う」
「比べようがない」

それが分かってはいても、考えずにはいられない。
武術・格闘技の経験者愛好者ならば、この気持ち、理解していただけるのではないでしょうか。

しかし、あえて検証するにしても、どこから考えたら良いものか…。
各流派の代表者を戦わせて比べるというのが王道でしょうが、その場合やはり条件が問題となってきます。

仮に「ルールなし」「なんでもあり」にしてしまうと、「武器・兵器あり」「集団戦法あり」になってしまい、もはや格闘技とは言えません。戦争です。

極端な話、核兵器の発射ボタンを押す権限を持つ権力者が最強ということになってしまいます。いや、核兵器では目の前にいる敵は倒せませんから、それでは最強とは言えません。

やはり最低限のルールは必要です。

「武器・道具なし。肉体のみ」
「一対一」
「それ以外は何でもあり」

このあたりが妥当でしょうか?
いいえ、それだけでは不充分です。

「制限時間」
「試合会場から出てはいけない」

このルールも設定しないと、
「一旦逃げて身を隠した後、ひたすら闇討ちできる機会を待つ。何日でも何年でも」

こういった戦法が成り立ってしまいます。極端な話、相手の寿命が尽きるまで逃げ続ければ若い方の勝ちです。

まだあります。

「試合開始の合図があるまで攻撃不可」

これがないと、先に会場入りして、出入り口付近で待ち伏せして、いきなり襲撃することができてしまいます。

「服装・靴・装飾品の制限」も必要です。物よっては武器や防具になりますから。
スパイクや安全靴などあからさまな武器ですし、目潰しを防ぐためにゴーグルを着用したり、耳を守るためにヘッドホンを着用したり、様々な小細工ができてしまいます。

もちろん、「買収・脅迫による八百長行為」も禁止です。技術と関係ないところで決着がついてしまっては意味がありませんから。

どんどんルールが増えていきます。

これでは結局のところ、ルール下での戦いに慣れたスポーツ系格闘技の方が有利になってしまいます。

武器術や対多人数戦、環境利用を含めた実戦向けの武術は、身に付けた技術の大半を活かせなくなり著しく不利です。

やはり、一対一で戦わせて勝った方が優秀という比べ方では無理があるようです。

では、あらゆる条件下であらゆるタイプの選手を戦わせて、最も勝率の高いものが優秀というのはどうでしょうか?

そんなことをすれば、多くの実力者たちが潰し合いをすることになり、格闘技・武術界そのものが衰退してしまいます。後継者を失って消滅する流派も続出するでしょう。
まさしく本末転倒です。

結局のところ、「最強の格闘技は何か」は頭の中で考えるか、話し合って推測するしかありません。

しかし、それにも問題があります。
考えるにせよ話し合うにせよ、「世界中のすべての格闘技・武術を知っていること」が前提となります。知りもしないで推測はできませんから。

しかし、世界には門外不出の謎の流派も存在しており、そのすべてを把握することは不可能です。

やはり八方塞がりです。
不毛と言って間違いありません。
最初から分かっていたことです。

それでも、ついつい語りたくなってしまう。
語りたければ語れば良い。

ただし、熱くなり過ぎてケンカにならないようにしましょう。
今回、一番言いたいのはそこですね。

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