型編③  場所や向きを変えて型を行う

文字数 497文字



「この型の順番はもう覚えた」

と思いきや、場所や向きを変えただけで順番が分からなくなってしまった経験はありませんか?

筆者の指導員時代、ちょっと意地悪かなと思いつつも開始位置の向きを変えてやらせてみると、さっきまでできていたはずの型が突然できなくなってしまう子が意外と多かったのです。

同じ場所で同じ方ばかり向いて練習をしていると、脳が背景を型の一部として覚えてしまうからです。

この現象は型が複雑になるほど顕著になります。

対策は、もうお分かりですね。

背景に惑わされることなく、どの場所でどの向きからでも型を行なえるようになって初めて「型の順番を覚えた」と言えるのです。


ついでに、中級者以上の人に向けて、少し武術的なお話をします。

型を充分に習得したと思ったなら、今度は地面が平らでない場所で練習してみましょう。

本来、型は表演ではなく実戦訓練のために作られたものです。
そして、実戦は平らな場所で起こるとは限りません。

武術家にとって、障害物のない平らな場所での練習は、あくまでも基礎練習に過ぎません。

真の意味で型を習得するには、特殊環境下における練習が必要です。

興味のある人は試してみてはいかがでしょうか。




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