組手編⑤上段蹴りが苦手な人へ
文字数 481文字
上段蹴り(ハイキック)が苦手な人は苦手なままで結構です。
無理をしてまで足を高く上げる必要はありません。
なぜなら、どうせそのうち蹴れなくなるからです。
かく言う筆者は、低身長ながら上段蹴りが得意な方でした。
全盛期には、10センチ以上も高い相手に対し、果敢に上段蹴りを繰り出していました。
防具の上からノックダウンを奪ったことは3度あります。
上段蹴りを放った後、足を下ろさずそのまま内回し蹴りに繋げるようなコンビネーションも使いこなしていました。
しかし、20代後半になると徐々に鋭さを失っていき、30歳を過ぎた頃には、もはや技と呼べないくらい衰えてしまいました。
個人差はありますが、華麗な上段蹴りを繰り出せる期間は本当に短く、10代後半から20代前半くらいの間だけです。
苦手な人であれば、もっと短いかもしれません。
苦労して身に付けた技が、ほんの数年で衰えてしまうのです。
「それでもいい」
「一瞬でいいから輝きたい」
そこまでの強い信念をお持ちであれば止めはしません。
ただ、中途半端に練習するくらいなら、最初から割り切って他の技を磨いた方が効率的ではある、というだけの話です。