テコンドーと対戦して気付いたこと
文字数 652文字
テコンドーとは韓国の国技であり、華麗な足技が特徴の格闘技です。
筆者の現役時代、空手のトーナメント大会に韓国人のテコンドー選手が何人か出場していたことがあり、たまたまその一人と対戦することになりました。
当時、筆者はまだ初段程度の未熟者ではありましたが、結果は防具付き空手のルールであるにも関わらず筆者の惨敗でした。
一矢報いることすらできませんでした。
筆者の身長が160センチであるのに対し、相手選手は175センチくらいあったと思います。
リーチは圧倒的に向こうが上です。
しかし、いくら身長差があっても相手の腕よりはこちらの足の方が長い。
よって、相手の手技に合わせてカウンターで蹴りを入れる。
ーーというのが、当時の筆者が主に使っていた戦法でしたが、相手が蹴り技しか出さないものだから、どうしようもなくなってしまいました。
相手選手のバランス感覚は素晴らしく、蹴りを打った後も全く体勢を崩さないので、間合いに入ることすらできませんでした。
しかし、そのおかげで筆者は手技の重要性に気付かされました。
以後、蹴り技を封印することで強制的に手技を磨く荒行に入ったところ、むしろ手技の方が自分に向いていることに気付き、二段を取得する頃にはすっかり手技主体のスタイルとなっていました。
その後、テコンドーの選手と再戦する機会はありませんでしたが、機動性を生かした立ち回りで蹴り技主体の選手とも渡り合えるようになり、確実に成長することができました。
そして何より、そもそも空手が手技主体の武術であることに気付くきっかけとなりました。