筆者が道場で教わったこと③空手演舞

文字数 496文字


タイトルの「演舞」は誤字ではありません。現代空手の型は「演武」ではなく「演舞」で間違いありません。

その証拠に、組手で回し受けが使われるところを見たことがありません。
諸手突き、手刀打ち、鶴頭打ち、貫手、掛け受け、すくい受け。
15年間で何百何千という試合を見てきた筆者が、これらの技が組手で使われるところを一度も目にしたことがありません。

つまり、型に出てくる技を実際に使う練習など誰もしていないわけです。

どんなに力強い技も、
どんなに鋭い技も、
どんなに迫力のある技も、

実戦で使えないのであれば武術とは言えません。
よって、現代空手の型は演舞なのです。


もちろん、筆者が教わった型も演舞でした。

「実戦では使えなくていいから、まずは順番を覚えて、それから技が綺麗に出せるように練習しろ」

先生は決してそのような言い方はしませんでしたが、実質そういうことでした。

さすがに初心者の頃の筆者でも、型を頑張っても組手は強くならないだろうなとは思いました。

だからといって全く練習しないわけにはいかないので、最低限言われたことだけをやりました。

そんな筆者が、演舞ではない本物の型の重要さに気付くのは、まだまだ先の話です。
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