基礎編③拳を鍛えておく

文字数 872文字


まず個人的な意見を言います。
初心者に正拳突きは難しいので、初めは掌底打ちや肘打ちを教えるべきだと思います。

しかし、現代空手を学ぶ以上そうも言ってられません。
おそらく、ほとんどの道場や部活では、入門したその日から正拳突きをやらせるでしょう。
筆者が通っていた道場もそうでした。

繰り返しになりますが、人間の拳とは脆いものです。
ろくに鍛えもしないうちからサンドバッグやミットを全力で打つのは危険ですので、絶対にやめましょう。

拳を鍛えるのに理想的なのは巻藁ですが、用意するのが難しい場合は代用品で構いません。
筆者の場合、自転車のヘルメットをガンガン叩いて拳を鍛えてました。

もちろん、最初から強く叩いては拳を痛めますので、軽く打つところから始めて、慣れてきたら徐々に強くしていきます。

その際、拳頭の部分だけでなく、小指側の部分も鍛えておきましょう。
いざ組手や実戦となれば、拳のどこが当たるかなんて分かりませんから、綺麗事など言っていられません。

…失礼しました。
初心者の方には『拳頭』を知らない人がいるかもしれないので、補足させていただきます。

『拳頭』とは中指と人差し指の付け根の関節部分です。
正拳突きを当てる時は拳のどこでも良いわけでなく、この『拳頭』の部分を当てるのが基本です。

実は、筆者がこのことを知ったのは入門して3年近くも経ってからでした。それまで誰も教えてくれなかったのです。
これこそ、入門したその日に教えるべき基礎中の基礎だというのに…。

とはいえ、結局は拳頭以外の部分が当たってしまうこともあるわけですから、満遍なく鍛えるしかありません。

どれくらい鍛えるかは個人の目標によります。
達人を目指すのであれば、石柱を思い切りぶっ叩くような狂人めいた領域に入っていくようですが、スポーツ選手であればそこまで鍛える必要はありません。

サンドバッグを思い切り素手で打って痛くなければ、ひとまずは充分でしょう。

ただし、拳の鍛錬は続けていないと、そのうち元の脆い拳に戻ってしまいます。
何らかの理由で長期間練習できなかった場合は、過信をせず一から鍛え直しましょう。




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