猫足立ちは本当に実戦的なのか?

文字数 657文字


猫足立ちは空手の基本的な立ち方の一つですが、組手試合で見かけることは滅多にありません。

攻防の流れで一瞬だけ猫足立ちのような形になることはあっても、最初から猫足立ちで構えている選手はほとんどいないでしょう。

ですが、猫足立ちは極めて実戦的な構えであるという説があります。
いったいなぜでしょうか?

答えはニつあります。
一つは、金的が蹴りやすいからです。

通常、蹴りを出すためには左右どちらかの足に体重を乗せてからでなくてはなりません。
しかし、猫足立ちは最初から後ろ足に体重が乗っているため、素早く蹴りを出すことができます。

この蹴り方では体重が乗らないので威力は出せませんが、金的を狙うのであれば問題ありません。
金的蹴りにさほど威力は必要ありません。大事なのは何よりも速さです。

二つ目の理由は、猫足立ちが逃げ腰な構えであることです。

試合であれば逃げ腰なのは良くないことですが、実戦ではそうとは限りません。

積極的に前に出て攻めるよりも、敵を牽制しながら逃げる隙を伺った方が良い場合があります。
相手が格上だったり、刃物などの武器を持っていれば尚更です。

時間稼ぎをすれば事態が好転する可能性が高い場合にも有効です。

妻子や恋人など、戦力にならない者が逃げるまでの時間を稼ぐ。
人通りのある場所なら、誰かが助けを呼んでくれるかもしれない。
場合によっては、威嚇することで相手が諦めてくれるかもしれない。

このように、試合とは全く違う実戦特有の状況下において、猫足立ちは極めて有効である場合があります。

よって、猫足立ちは実戦的であると言えます。


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