025 だって当然スローライフが基本なんだし
文字数 1,752文字
「アームボルゥストのことでしょうか。広くはクラクスバウと言われますけれども」
「あ~クロスボゥかぁ、それそれ。ボゥガンは日本語だったかもな、矢の代わりに弾丸を撃つのが銃なんだ。弓の仕掛けじゃなく、てか、それなら大砲はあるのか? 大きくて頑丈な鉄の筒みたいのに、火薬と砲弾を入れてドカンと撃つヤツ」
「タイホウやホウダンは知りませんけれども、火薬を使いドカンと攻撃するボムボスがあります。これを、岩の代わりに投石機でも撃ち放つので、似た兵器と言えるでしょう。扱いが厄介なので、デウツクランを含めて数箇国でのことですし、主に央都や、非同盟国および非友好国との国境防衛陣地にしか配備されていません」
「まさか、そこまでとはなぁ……爆弾だろボムボスってのは?」
「テルミが何を呆れているのかわかりませんけれども、戦闘行為は主に通力と魔法が用いられますので、それが使えない兵たちの装備でしかないのです。強大なチカラを、神や魔族から借り受けられる者を軍へ徴集している国では、無用の長物でしょうから」
「そっか~、神通力や魔法なんかがあるから、科学や工業技術の進歩が遅いわけだな? ったく、命を脅かすカルチャーショックが次次とっ。てか、ディスロケーターを始末しに来る奴らってのも、どうせその強大なチカラを使えるんだろ?」
「話が込み入ってしまうので、そこは別の機会に詳説させていただきますけれども、魔族と何らかの契約をしなければならない魔法だけでなく、神もいて無償の通力まで授けていただけるのですから、そう悲観的に捉える世界でもないでしょう。テルミにも、呪文詠唱さえ要らず自在になるその剣があるではありませんか」
「ン~、埋め難いギャップを、道理を超えたチカラで一絡げに相殺されてもなぁ……てか、虚しくなるんでオレも話を戻すけどさ、ノキオの言う投石機を小さくして、人が持ち歩けるようにしたのが銃だと喩えればわかってもらえるかな──」
照壬はлсДを背から抜き、脱ぎ纏めて肩に掛けていたマウンテンパーカーのポケットから一つ、銃弾も出してノキオに見せる。
「……それも初めて見る物です。これまで目がなかったので当然ですけれども」
ノキオなりの和 ませと察して、照壬もポジティヴなスタンスで話を続けことにする。
「ほら、この剣って、ソードガードの上に穴が開いてて先まで筒ぬけているだろ、ここにこの弾丸を入れて撃つんだ。それも火薬の爆発力じゃなく、意思力で飛ばすらしいんだよな。狙いどおりの百発百中ってことなんだけど」
「それが真実ならば、真に聖剣かも知れませんけれども、そのダンガンと言うのは、ウコクバニの貨幣ではないでしょうか? その硬貨として特徴ある異体と黄金にも似た輝きは間違いないと思います」
「ガチで? てか、これは真鍮の塊みたいだけど──」照壬は再びポケットをまさぐって、赤と青の銃弾もとり出す──「こっちのは、中に炸薬、てか当たってから弾 ける火薬が工夫してつめてあるらしいのに、硬貨ってことなのか?」
「いえ……そちらは知りませんので、火薬を扱う職人か、どこかの造兵などが細工して色を塗ったのではないでしょうか? デウツクランでも交易で賑わう城塞町まで行けば、両替されたウコクバニ硬貨が手に入れられるはずです、それとは大きさと価値が違う物もあります」
「ガチか~……まあ、撃ち尽したら考えればいいかな……」
「ワタクシも、テルミの言うところのガチで、その剣についての情報を集めてみるとしましょう。興味が本気で湧いてきました」
「てか、本気はマジな。ガチは真剣って意味なんだ。似てるけどビミョ~に違ってな」
「マジですか、ガチで?」
「アハハ。まぁそうだよなぁ、これに関してはオレもさすがに聖剣だとまではガチに信じきれないからな。手始めに、信じられるブッ手斬ることだけでつくれる木刀で具合を見ようってわけ。だからノキオも心配するな、幹から背中を一刀両断してやることだけは自信満満だし」
「はい。それでは、そのブッ手斬るところを拝見させてください」
「ヨッシャ。じゃぁとりあえず、遠慮なくやらせてもらうな」
照壬は左肩からマウンテンパーカーを払い退け、лсДも一先ず地面へ置いて、引き摺って来た倒木を、ブッ手斬り易くするための向け返し作業にとりかかる。
「あ~クロスボゥかぁ、それそれ。ボゥガンは日本語だったかもな、矢の代わりに弾丸を撃つのが銃なんだ。弓の仕掛けじゃなく、てか、それなら大砲はあるのか? 大きくて頑丈な鉄の筒みたいのに、火薬と砲弾を入れてドカンと撃つヤツ」
「タイホウやホウダンは知りませんけれども、火薬を使いドカンと攻撃するボムボスがあります。これを、岩の代わりに投石機でも撃ち放つので、似た兵器と言えるでしょう。扱いが厄介なので、デウツクランを含めて数箇国でのことですし、主に央都や、非同盟国および非友好国との国境防衛陣地にしか配備されていません」
「まさか、そこまでとはなぁ……爆弾だろボムボスってのは?」
「テルミが何を呆れているのかわかりませんけれども、戦闘行為は主に通力と魔法が用いられますので、それが使えない兵たちの装備でしかないのです。強大なチカラを、神や魔族から借り受けられる者を軍へ徴集している国では、無用の長物でしょうから」
「そっか~、神通力や魔法なんかがあるから、科学や工業技術の進歩が遅いわけだな? ったく、命を脅かすカルチャーショックが次次とっ。てか、ディスロケーターを始末しに来る奴らってのも、どうせその強大なチカラを使えるんだろ?」
「話が込み入ってしまうので、そこは別の機会に詳説させていただきますけれども、魔族と何らかの契約をしなければならない魔法だけでなく、神もいて無償の通力まで授けていただけるのですから、そう悲観的に捉える世界でもないでしょう。テルミにも、呪文詠唱さえ要らず自在になるその剣があるではありませんか」
「ン~、埋め難いギャップを、道理を超えたチカラで一絡げに相殺されてもなぁ……てか、虚しくなるんでオレも話を戻すけどさ、ノキオの言う投石機を小さくして、人が持ち歩けるようにしたのが銃だと喩えればわかってもらえるかな──」
照壬はлсДを背から抜き、脱ぎ纏めて肩に掛けていたマウンテンパーカーのポケットから一つ、銃弾も出してノキオに見せる。
「……それも初めて見る物です。これまで目がなかったので当然ですけれども」
ノキオなりの
「ほら、この剣って、ソードガードの上に穴が開いてて先まで筒ぬけているだろ、ここにこの弾丸を入れて撃つんだ。それも火薬の爆発力じゃなく、意思力で飛ばすらしいんだよな。狙いどおりの百発百中ってことなんだけど」
「それが真実ならば、真に聖剣かも知れませんけれども、そのダンガンと言うのは、ウコクバニの貨幣ではないでしょうか? その硬貨として特徴ある異体と黄金にも似た輝きは間違いないと思います」
「ガチで? てか、これは真鍮の塊みたいだけど──」照壬は再びポケットをまさぐって、赤と青の銃弾もとり出す──「こっちのは、中に炸薬、てか当たってから
「いえ……そちらは知りませんので、火薬を扱う職人か、どこかの造兵などが細工して色を塗ったのではないでしょうか? デウツクランでも交易で賑わう城塞町まで行けば、両替されたウコクバニ硬貨が手に入れられるはずです、それとは大きさと価値が違う物もあります」
「ガチか~……まあ、撃ち尽したら考えればいいかな……」
「ワタクシも、テルミの言うところのガチで、その剣についての情報を集めてみるとしましょう。興味が本気で湧いてきました」
「てか、本気はマジな。ガチは真剣って意味なんだ。似てるけどビミョ~に違ってな」
「マジですか、ガチで?」
「アハハ。まぁそうだよなぁ、これに関してはオレもさすがに聖剣だとまではガチに信じきれないからな。手始めに、信じられるブッ手斬ることだけでつくれる木刀で具合を見ようってわけ。だからノキオも心配するな、幹から背中を一刀両断してやることだけは自信満満だし」
「はい。それでは、そのブッ手斬るところを拝見させてください」
「ヨッシャ。じゃぁとりあえず、遠慮なくやらせてもらうな」
照壬は左肩からマウンテンパーカーを払い退け、лсДも一先ず地面へ置いて、引き摺って来た倒木を、ブッ手斬り易くするための向け返し作業にとりかかる。