007 めい・ざ・ふぉーす・びー・うぃず・ゆぅ!?
文字数 1,521文字
「変に察しがいいなアレルも。てか、オレの父方はそもそも、郷侍から鉄砲足軽の指南番を経てマタギへと流れた血筋だからな、オレにもとりあえず剣術と猟銃をとりまわす才はあるカンジだ。きっと向いている、今これ全ては天佑で、弟子入りできたらガチの至幸かもな」
みんずりと述懐する照壬だが、アレルも歯に衣 着せぬリアクション。
「エェ~ッ向いてるかなぁ? ……竹刀と違って、ハンティング・ライフルって大口径な分、かなり重たいんじゃない? 剣道はボクも授業でやらされたけど、竹刀の素振りからスグに腕が疲れちゃってキツかったしさぁ」
「自分と似たヒョロいガタイだからって、そこまでオレを同類と思うなよ。そもそも得道具は腕力じゃない、意思の力で揮うんだ、アレルにわかり易く言うならフォースってヤツだな」
「それって、まさか
「てか、極めきっちまえたらそれ以上かもな。ゴリゴリの筋力なんかなくても狙いどおりに当たりゃいい、オレの動作で当てると言うより、竹刀の剣先や物打、弾丸の方からヒットしに行ってくれる。それが代代ウチに伝わっていた炯照見理念 流の奥義だ、しみったれた家禄を捨てて山深くへ入った時点で事実上絶えちまったけどな」
照壬は、見よう見真似で憶えた祖父サマが験 かつぎにする流派独特の手刀をきって見せる。
「ヘェ~……なんかますます慧斗への興味が湧いてくるなぁ、津津とさ──そうだっ、いいこと思いついちゃったよボク。ウンウンそれがいいや、これから愉しくなるぅ」
「知らんけど、なんかお寒い予感しかしないな」
「それはあとでのお愉しみぃ、寒くないはずだよ、きっと常春~。ならもう、つまんない用事が済んだら荷物を纏めて行っちゃおうよ。必要なコストはボクに任せてくれていいからさ、その対価にボクもその山まで連れて行ってくれる契約はどう? 勿論、山登りもキツいんで麓で帰るけどさ、どんなトコなのかワクワクしちゃうし~」
「……てか、行きずりのかき捨て相手だと思って、恥をペラついちまったのにな」
「恥でも何でも全部拾って有効利用したいボクなんだからさ、これでスグにバイチャなんてできやしないよぉ。慧斗をもっと根本的に助けられちゃうかもだしさっ」
「……もう、好きにしてくれ。なら交通費と弁当代をよろしく、てか、これからだと降りた駅前で一泊だな、晩飯と明日の朝食も頼むことになるけどいいのか? 弟子入りできても就職ってわけじゃない、なけなしの所持金は、なるたけ使わないに越したことはないからな」
「オッケーオッケー。ウハ~まだまだ話し足りない慧斗と一泊旅行かぁ、そこって温泉のあるトコ? 名物料理は何ぃ? どうせなら吉祥天みたいな美人女将が出迎えてくれちゃう宿に泊まろうよっ、ソッコーで索るからさ。湯加減や珍美を堪能するために、ボクもこのYSOのパフォーマンス‐レヴェルをMAXまで上げなくちゃね~」
「……YSO?」
「あ~何でもないない──」
アレルはあたふた両手を動かしY、S、Oとジェスチャーをした。
「お寒いっての。オレは遊びに行くわけじゃないんだからな、巻き込もうとしないで一人で存分にはしゃいでくれ。くれぐれも、オレの分の出費を後悔しないようにな」
「オッケ~。それは心配ないから大丈夫ぅ……って言うか、慧斗こそ最後の下界になるかもなんだからさ、はしゃぎまくっといた方が後悔はないと思うよぉ」
そう言うと、アレルは照壬に歩速アップを促すようにクルクルと回りながら先行しだす。
スグ先の角を曲がろうという気配が感じられ、照壬はアレルがこれから向かう道筋までもを検索し終えたのだと解釈し、とりあえず自分もアレルを有効利用させてもらうことに決める。
みんずりと述懐する照壬だが、アレルも歯に
「エェ~ッ向いてるかなぁ? ……竹刀と違って、ハンティング・ライフルって大口径な分、かなり重たいんじゃない? 剣道はボクも授業でやらされたけど、竹刀の素振りからスグに腕が疲れちゃってキツかったしさぁ」
「自分と似たヒョロいガタイだからって、そこまでオレを同類と思うなよ。そもそも得道具は腕力じゃない、意思の力で揮うんだ、アレルにわかり易く言うならフォースってヤツだな」
「それって、まさか
フォースが共にあらんことを
のフォース?」「てか、極めきっちまえたらそれ以上かもな。ゴリゴリの筋力なんかなくても狙いどおりに当たりゃいい、オレの動作で当てると言うより、竹刀の剣先や物打、弾丸の方からヒットしに行ってくれる。それが代代ウチに伝わっていた
照壬は、見よう見真似で憶えた祖父サマが
「ヘェ~……なんかますます慧斗への興味が湧いてくるなぁ、津津とさ──そうだっ、いいこと思いついちゃったよボク。ウンウンそれがいいや、これから愉しくなるぅ」
「知らんけど、なんかお寒い予感しかしないな」
「それはあとでのお愉しみぃ、寒くないはずだよ、きっと常春~。ならもう、つまんない用事が済んだら荷物を纏めて行っちゃおうよ。必要なコストはボクに任せてくれていいからさ、その対価にボクもその山まで連れて行ってくれる契約はどう? 勿論、山登りもキツいんで麓で帰るけどさ、どんなトコなのかワクワクしちゃうし~」
「……てか、行きずりのかき捨て相手だと思って、恥をペラついちまったのにな」
「恥でも何でも全部拾って有効利用したいボクなんだからさ、これでスグにバイチャなんてできやしないよぉ。慧斗をもっと根本的に助けられちゃうかもだしさっ」
「……もう、好きにしてくれ。なら交通費と弁当代をよろしく、てか、これからだと降りた駅前で一泊だな、晩飯と明日の朝食も頼むことになるけどいいのか? 弟子入りできても就職ってわけじゃない、なけなしの所持金は、なるたけ使わないに越したことはないからな」
「オッケーオッケー。ウハ~まだまだ話し足りない慧斗と一泊旅行かぁ、そこって温泉のあるトコ? 名物料理は何ぃ? どうせなら吉祥天みたいな美人女将が出迎えてくれちゃう宿に泊まろうよっ、ソッコーで索るからさ。湯加減や珍美を堪能するために、ボクもこのYSOのパフォーマンス‐レヴェルをMAXまで上げなくちゃね~」
「……YSO?」
「あ~何でもないない──」
アレルはあたふた両手を動かしY、S、Oとジェスチャーをした。
「お寒いっての。オレは遊びに行くわけじゃないんだからな、巻き込もうとしないで一人で存分にはしゃいでくれ。くれぐれも、オレの分の出費を後悔しないようにな」
「オッケ~。それは心配ないから大丈夫ぅ……って言うか、慧斗こそ最後の下界になるかもなんだからさ、はしゃぎまくっといた方が後悔はないと思うよぉ」
そう言うと、アレルは照壬に歩速アップを促すようにクルクルと回りながら先行しだす。
スグ先の角を曲がろうという気配が感じられ、照壬はアレルがこれから向かう道筋までもを検索し終えたのだと解釈し、とりあえず自分もアレルを有効利用させてもらうことに決める。