この物語は、ヒロインである早苗沙希が、ひょんなことから狙われる身となってスタートします。ドタバタ半分、シリアス半分のファンタジーです。グラマトンと呼ばれる特殊な粒子のせいで、無線通信ができない（スマホがない）不便な世界。飛行機も空を飛べない。だけども時々、化け物が闊歩している未来の日本が舞台です。
　AIによる管理社会となった日本では、中学３年生の夏から、それぞれの将来を決める守護精霊と呼ばれるAIがあてがわれます。日々の行動と他人とのコミュニケーションは、AIが管理します。そんな世界で、特別なAIを引き当ててしまった彼女は、理由もわからず化け物に襲われるようになり、非日常に飲まれています。

第一章では、化け物に襲われている彼女を、「蓮野久希、通称：蓮（レン）」という謎の男性が救出します。
第二章では、再会した蓮が身近に潜んでいた敵、教師と戦う姿を目撃します。ここから徐々に、彼女は蓮に興味を持つようになります。
第三章では、蓮の大学生活を軸に、彼の戦いを目撃します。深く関わりすぎた彼女は、より事件に巻き込まれるようになっていきます。そして、戦いの最中や引き際に垣間見る彼の悲しみの表情に、どうしても惹かれてしまうのです。
第四章では、彼女を狙う組織の日本支部との激突です。誘拐された彼女とその友人を、蓮たちが救出します。多くの敵を仕留めたあと、この物語で一番の見せ場となる戦いが繰り広げられます。辛くも勝利しますが、彼女がおかしくなってしまいます。
第五章では、自身の後悔で苦しむ早苗沙希を、蓮がその心で救い出します。彼女が抱えていた苦しみと、彼が抱え続ける苦しみがリンクしたとき、２人の関係は変化し、物語は動き始めます。

要所要所に登場する困ったちゃんたちとの掛け合いも、是非是非楽しんでいただければ幸いです。