第六項 悪夢が徐々に
文字数 735文字
「あっはっは!ごめんごめん」
さっきの攻撃がクリーンヒットしたのか、彼は笑いながら謝りました。どう見ても、心がこもっていませんが。
「君があんまり可愛いもんだから、からっちゃったんだ。許してね」
謝ってくれたけど、またしても一言多い……
謝ってくれたって、こっちは狼狽させられて、大きな声で”可愛い”とか言われて、一勝二敗です。お店にいる初対面の方々、つまり他のお客様方ですが、老若男女問わず、こちらをジロジロ見ています。恥ずかしくってもう、顔から火が出そうでした。いえ、火は出ないまでも、私がお店から出ていきたかったです。そんな私を尻目に
「はぁ~~~……」
彼は大きなため息を吐きました。
「どうしたんですか?」
一応礼儀といいますか、あんまり興味なかったんですが、ため息の理由を聞いてあげます。
「いや、君が急に先生の名前を出すから」
「出すから?」
「会いたくなっちゃったよ……」
「ハイハイ、ヨカッタデスネ」
うっかり棒読みでした。呆れたというかなんというか……
「ところで、8月31日ってのは夏休み最後の日だ」
「まぁ……そうですね」
今度はいったいどういう切り口でくるんでしょうか。
「だから、みんなに惜しまれる、終わらないでぇ~って言われる」
私は警戒していました。
「とっても貴重な一日だ」
う~ん、このヒト、何言いたいんだろ?
「それに」
まだ続くんだ……
「大切なヒトの……誕生日でもある」
うんうん……大切なヒト……
「って誰!?」
彼の話はメチャクチャです。オチもないまま、でも何か大事なことを言った感で自己満足に浸っています。スゴロクでいうなら、”オシャレなけフェで、友人とお茶をする。そこに残念なヒトが相席で、一回休み”って感じです。
さっきの攻撃がクリーンヒットしたのか、彼は笑いながら謝りました。どう見ても、心がこもっていませんが。
「君があんまり可愛いもんだから、からっちゃったんだ。許してね」
謝ってくれたけど、またしても一言多い……
謝ってくれたって、こっちは狼狽させられて、大きな声で”可愛い”とか言われて、一勝二敗です。お店にいる初対面の方々、つまり他のお客様方ですが、老若男女問わず、こちらをジロジロ見ています。恥ずかしくってもう、顔から火が出そうでした。いえ、火は出ないまでも、私がお店から出ていきたかったです。そんな私を尻目に
「はぁ~~~……」
彼は大きなため息を吐きました。
「どうしたんですか?」
一応礼儀といいますか、あんまり興味なかったんですが、ため息の理由を聞いてあげます。
「いや、君が急に先生の名前を出すから」
「出すから?」
「会いたくなっちゃったよ……」
「ハイハイ、ヨカッタデスネ」
うっかり棒読みでした。呆れたというかなんというか……
「ところで、8月31日ってのは夏休み最後の日だ」
「まぁ……そうですね」
今度はいったいどういう切り口でくるんでしょうか。
「だから、みんなに惜しまれる、終わらないでぇ~って言われる」
私は警戒していました。
「とっても貴重な一日だ」
う~ん、このヒト、何言いたいんだろ?
「それに」
まだ続くんだ……
「大切なヒトの……誕生日でもある」
うんうん……大切なヒト……
「って誰!?」
彼の話はメチャクチャです。オチもないまま、でも何か大事なことを言った感で自己満足に浸っています。スゴロクでいうなら、”オシャレなけフェで、友人とお茶をする。そこに残念なヒトが相席で、一回休み”って感じです。