第十一項 夢の終わり
文字数 948文字
「ダメ……か……」
心の声……強く渇望するようなそれは、いてもたってもいられなくする……でもそれは
「ヒトを破滅に誘うんだよ?」
傲慢で、他人を妬んで、暴力の味を知ってしまった。そんな彼女が、まるでカマキリのように、刃物と化した髪を最大限に広げて、大きくなって俺を威嚇する。
「まったく……心を病んで怒りに溺れて、最後はこれか」
再びヘラの斬撃が降り注ぐ。
「教育者として、どうかと思うよ?」
俺はそれを容易く弾く。どれほどの連撃であろうとも、所詮は素人の太刀筋だ。するとヘラは、よりによってあの娘に狙いを変えた。俺は高速の抜刀で、サキちゃんに迫る刃物の雨を、横から打ち払う。
「あはははは!やっぱりその小娘が大事か!?そいつを守りながら戦ってみせろ!」
調子に乗ったドクロのおばさんは
「さあ、貴様はどうすんだ!?小娘を見殺しか?それともまとめて細切れにしてやろうか?」
全ての髪を振り上げた。全方位に展開したワイヤーの網。逃れる隙間は無さそうだ。ラストアタックのお時間だもんね。
「生に意味なんてないんだよ」
そんな彼の声と重なるように、指を弾く音がしました。”パチン!”っていう音が響くと同時に
「答えなんて、何処にもないしね」
彼を中心に、淡い光の風が渦巻いたように見えます。
「ヒトはただ、そこにあるだけなんだ。そこでただ、勝手に悩んで苦しんでるだけ」
暖かい光が辺を包みます。その中で私は
「”人間は考える葦である”」
見てしまったのです。
「うまいこと言うよね」
彼の前に現れた銀色の人影が
「葦みたいに、じっとしていられたら……よかったのにね」
左手に宿した激しい炎を投げつけたのです。彼は刀で戦うことをやめ、銀色の悪魔の爆炎で、ヘラを、先生を、滅ぼすことにしたのです。
「うぎゃぁあああああああ!?」
轟音と高熱に包まれて、先生は成す術も無く焼かれてしまいました。初めは先生の悲鳴が響いていましたが、炎に巻かれ、喉を焼かれた先生は、すぐに無音となりました。
「怪力乱神を語らず」
台詞の括弧をとじるように
「むやみに怪異や暴力を、語っちゃいけないんだ。それは人の心を惑わせる」
彼は同じ言葉で締めくくりました。そして焼滅した美津井先生は、翌日から行方不明となりました。
心の声……強く渇望するようなそれは、いてもたってもいられなくする……でもそれは
「ヒトを破滅に誘うんだよ?」
傲慢で、他人を妬んで、暴力の味を知ってしまった。そんな彼女が、まるでカマキリのように、刃物と化した髪を最大限に広げて、大きくなって俺を威嚇する。
「まったく……心を病んで怒りに溺れて、最後はこれか」
再びヘラの斬撃が降り注ぐ。
「教育者として、どうかと思うよ?」
俺はそれを容易く弾く。どれほどの連撃であろうとも、所詮は素人の太刀筋だ。するとヘラは、よりによってあの娘に狙いを変えた。俺は高速の抜刀で、サキちゃんに迫る刃物の雨を、横から打ち払う。
「あはははは!やっぱりその小娘が大事か!?そいつを守りながら戦ってみせろ!」
調子に乗ったドクロのおばさんは
「さあ、貴様はどうすんだ!?小娘を見殺しか?それともまとめて細切れにしてやろうか?」
全ての髪を振り上げた。全方位に展開したワイヤーの網。逃れる隙間は無さそうだ。ラストアタックのお時間だもんね。
「生に意味なんてないんだよ」
そんな彼の声と重なるように、指を弾く音がしました。”パチン!”っていう音が響くと同時に
「答えなんて、何処にもないしね」
彼を中心に、淡い光の風が渦巻いたように見えます。
「ヒトはただ、そこにあるだけなんだ。そこでただ、勝手に悩んで苦しんでるだけ」
暖かい光が辺を包みます。その中で私は
「”人間は考える葦である”」
見てしまったのです。
「うまいこと言うよね」
彼の前に現れた銀色の人影が
「葦みたいに、じっとしていられたら……よかったのにね」
左手に宿した激しい炎を投げつけたのです。彼は刀で戦うことをやめ、銀色の悪魔の爆炎で、ヘラを、先生を、滅ぼすことにしたのです。
「うぎゃぁあああああああ!?」
轟音と高熱に包まれて、先生は成す術も無く焼かれてしまいました。初めは先生の悲鳴が響いていましたが、炎に巻かれ、喉を焼かれた先生は、すぐに無音となりました。
「怪力乱神を語らず」
台詞の括弧をとじるように
「むやみに怪異や暴力を、語っちゃいけないんだ。それは人の心を惑わせる」
彼は同じ言葉で締めくくりました。そして焼滅した美津井先生は、翌日から行方不明となりました。