序文

文字数 297文字

 「お前は今や、呪われる身となった」
それは確かにそう告げた。
「今後いくら努めても、努力は報われず、お前の畑に実りはない」
それでも私は抗った。
「誰にもお前を殺させない。お前は永遠に苦しみながら”生きる”のだ」
 これが、擬人化した私の始まり。その後、私の上に多くの生命が育まれた。でも、それらで私が苦しまないと見ると、アイツは試練で滅びを運び、新たな罰(いのち)を振り撒いた。振りまき続けた。そして
 「やはり、最期はそうなるのか……」
それはあの生命を創造した。同種で殺しあえる、搾取しあうことができる、唯一の種族を。その生命体は数億年生きた我の身体を、あっという間に蝕んでいった……
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登場人物紹介

桜苗沙希(さなえさき)(16)

ちょっと天然な、お菓子系の美少女。

パステルカラーがよく似合う。

幼い時に両親が離婚し、心に深い傷を隠し持っている。

それゆえか感受性が強く、不思議な青年、蓮に惹かれてしまう。

蓮野久季(はすのひさき)(21?) 通称:蓮(レン)

その経歴や言動から、とにかく謎の多い青年。

「黒い剣士、銀色の悪魔、ワケあり伊達眼鏡、生きる女難の相」など、いろいろ呼ばれている。

物語の核である、「グラマトン、プラヴァシー、継承者、閉じた輪廻」に密接に関わる、左利きの男。

セト

蓮が利用するアルドナイ(AI)

蓮を「兄サン」と呼び、主に情報収集と相談役として活躍する。

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