第49話 ハタと気づく

文字数 930文字

『目から鱗が落ちる』とは、何かがきっかけになって、急に物事の実態などがよく見え、理解出来るようになる。(ググる調べ)そんな感覚がありました。

 何に鱗が落ちたか。ゴルフのスイング。かれこれ4年ぐらいはレッスンを受けているだろうか。最初の2年は、ほぼラウンド無し。誘われる機会はあったが、自分の中でGOサインが出なかった。3年目くらいからラウンドへ。7番の練習ばかりしていたので、ドライバーの当たりはそこそこできても、アプローチやサンドウェッジ、パターなどは惨憺(さんたん)たるもの。何処で、どのクラブを使うかがわからない。これらはラウンドに出なければ身に付かないなと、しみじみ思った。

 ここ最近のラウンドで、やっと使うクラブが分かるようになった。覚えようと必死になったわけではない。あるとき、ずっと分からないと思っていた頭が、スッと分かる頭になった。スイングにも同じことがあった。先生からいつも同じフォームの欠点を指摘される。先生の動きを見れば、私のカッコ悪いスイングは理解できるが、自分の身体が分かってくれない。だから、頭で考えるよりも身体に理解させようと、大量のボールを打ち続けた。ただ闇雲に打つ感じになるので、ボールを打ち終わるのは、いつも1番。他の生徒さんに「もう、打っちゃったの?」と半ば呆れられていた。

 ところが、ある日自宅の鏡の前で腕だけでスイングしたら、いつもとは違う閃きがあった。

『もしかしてこの感じ?』

 頭と身体が一致した感覚。フォームが安定した感じ。早くボールを打って試してみたい。この時ほど次のレッスンが待ち遠しいと思ったことはなかった。後日、この一致したフォームを先生に見せた。

「いいじゃん、サイコー!」

と褒めてくださった。やっぱりこれか。だからと言って、ゴルフはそんなに甘くはない。この一致したフォームを安定させるためには、まだ何回も練習しなくては。そして今度のラウンドで試してみなければ。今まで、スコアをつけるのが嫌だった。理由は1つ。大叩きして数えきれなかったから。でも、次のラウンドは、何か変わる予感が……鱗の成果は如何に。

 ゴルフはメンタルも重要です。『落ち着け私』と思えば思うほど落ち着かなくなります。こっちの鱗も落ちてくれないかなぁ。
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