第56話 両親の行く末

文字数 981文字

 先日、父母と今後の生活について話し合いました。

 私の両親は現在、父88歳・前立腺ガンと高血圧、母82歳・肝臓ガン・骨粗鬆症。弟家族と同居している。同居と言っても、食事は別。主に父が作っている。ハッキリ言って、弟嫁との折り合いが悪い。だから、嫁にあれこれと気軽に頼めないのが現状だ。こうなってしまった経緯は色々考えられるが、今回は省く。そうは言っても、必要に迫られたことを、お嫁さんに拒否されたことは少ない。もしもの話はしたくないが、関係が良好であれば、私があれこれ呼び出されることは無かっただろう。ある意味、この現状のおかげで結果的に親孝行ができているとも言える。

 両親が二人だけで生活することは限界にきている。私が訪ねる度に、両親の間で不穏な空気が……お互いが高齢と持病で思うように動けないため、相手へ依存し、上手くいかない時に小競り合いをする。あまりに日常的なので、仲裁をするのも嫌になった。動作の割合は7:3で父の方が動いているように見える。

 良く言えば、両親は昔から小さなことも二人でやってきた。悪く言えば、一人で決断ができない。夫と私の関係の真逆にいる。だから私はこの習慣からくる小競り合いを、見ていられない。

「どちらかが一人になったら、どうするの?」

と私はキツイ問いかけをした。父は「施設に入る」と言った。それくらいの蓄えはあると。母は「心配しなくても大丈夫、すぐ逝くから」母は先のことが想像できていない。今もそうだが、困ったときは常に誰かにやってもらい、事なきを得ている。喉元過ぎればで解決したことは覚えていても、それを誰かにやってもらったことは忘却の彼方。

 私は、お互いが一人でできることを増やして欲しいと頼んだ。今さらだと誰もが思うだろう。ましてやこれから助けが必要になるだろうときにだ。わかっている。でも、私も毎日来れるわけじゃない。父母の生活のために自分の生活をないがしろにして、実家に帰ることはできないと私の気持ちを言った。できる範囲で実家に通うつもりだが、せめて私が訪ねたときくらい小競り合いの原因を減らす努力をしてほしいと頼んだ。高齢の両親へ、どんなお願いをしても、それは理想。現実は難しい。

 私が腎臓ガンだったことを、両親は知りません。二人とも凄く心配性だから言えなかったんです。病気をして体力不足だから手伝えないとは言えません。
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