第29話 秋の太極拳

文字数 899文字

 寒い寒い……毎度このような書き出しで芸のない私ですが、まだ10月ですよ、みなさま。暦の上では晩秋とは言え秋ですよ。昔はよく言っていたものです。〇〇の秋。楽しんでいますか?

 今日は以前よりちょこちょこ書いている太極拳のその後を。動きがちっとも覚えられず、レッスンに行っては落ち込む日もあったが、続いている。我ながらエライと思う。継続出来る理由の1つは、大袈裟だが人生最後の運動だと位置付けているから。その目的は、寿命までの自力歩行。とにかく体幹を鍛え続けたい。

 いつものようにレッスンが終わり、その日の内容をもう少し深く知りたかったので、先生に声をかけた。

「いくつかある型の中で、腎臓を強化出来る型はありますか?」

 腎臓のことも今まで何度か触れているが、私は片腎(腎臓を1つ取った)。だが残った腎臓の数値があまり良くないのでとても疲れやすい。持久力がない。片腎のことは伏せて「腎臓が弱いから」と言った。

「イクツカアルヨ。コレモソウダシ、コレモ」(先生は中国人)

ざっくり言うと背中側の腰辺りを触る動きは、腎臓に効いているようだ。そしてこれが太極拳を続けるもう1つの理由。次の週のレッスンでは気功の中に腰を意識する動きがあった。先生の計らいに感謝。ときどきカタコトなニホンゴで分かりにくいが『いい先生に教えてもらっている』という実感が湧いた。

 昨日のレッスン日のこと。いつも私の後ろでやっているご婦人に声をかけられた。

「あなた、ご自宅で練習されてる?動きがスムーズで、いつも頼りにしているのよ」

未だ先生に「筋肉を使わない、早い、踊りじゃない」と言われ続けている私だが、それでも家で自主練はしていた。ここにきて、その成果を評価されたようで凄く嬉しかったのだが……

「やめてくださいよ〜。私の動きは筋肉使って肩上がってまだまだなんですからぁ」

実に日本人らしく恐縮する言葉で返した自分に、素直じゃないなと苦笑した。

 太極拳の型はレッスンだけでは覚えきれないので、YouTubeを参考に練習しています。大まかには同じなのですが、先生によって微妙に違う。レッスンではその微妙な違いを修正して覚えるようにしています。
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