第20話 ひとり暮らし・最終日

文字数 891文字

 今日は完全なOFF曜日にしようと思います。突然の思いつきONE DAY TRIPの疲れが予想以上に出ました。頭が少しズキズキ、ふくらはぎはパンパン。夜中に足が()ったら嫌だなと心配しましたが、その辺はセーフ。

 今朝は雨音で起こされた。雨の日は暗いから、その分目覚めが遅い。私は朝日とともに起床する人。昨日のうちに外出して正解だった。今日は太極拳の日だが、休もうと思う。いや、行こうと思えば行けるかも……いやいやいや、休む。それは幼馴染のくれた言葉通りにしたかったから。

 昨夜、無事に帰宅したことをLINEした。そこへ、返してくれたのが

「疲れたやろ〜明日はゴロゴロしときや〜」

 最近の私は疲れていても、多少動かなかったりはあるが、ゴロゴロすることなんてなかった。なぜかこの言葉が暖かく、嬉しく、そして従いたくなるような大切なことのように感じた。だから、私は言われた通り、外出もせず、室内をバタバタ歩き回ることもなく、ゆっくり食事し、ソファの上でゴロゴロした1日を過ごした。

 おかげで夕方には、体力が回復した実感があった。これからは人が案じてくれることに、もっと耳を傾けよう。ここまで生きてくると、何かと自分の経験値が先に立つ。耳を塞ぎ無理をする。もう少し若い時ならそれで乗り越えられた。むしろ私は正しかったと変な(おご)りさえあった。そろそろ、心の糸玉を(ほぐ)していこうか。もっといい風が入るように。

 とうとう、ひとり暮らし最終日の夜となった。子どものときの夏休みと同じ感覚がじわじわと押し寄せている。あっという間の日々。違うのは宿題が無かったことだが、課題のない時間を自分のために使い切ることができたか?夫は10日もの時間を使い、何か悟り、得るものがあったのだろうか。あまり期待せずに、帰宅後の様子を見守ろう。あんがい向こうもこちらを伺ってくるかもしれない。

 分かってはいましたが、10日間って短いよね〜。今までは、私が旅行で夫は留守番が多かったのですが、今回1人で長期の留守番をしてみて、たまには悪くないなと感じました。夫に次回があっても、喜んで送り出せそうです。夫婦旅?想像できないなぁ。
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